「あ、スーパーカブ!」ではありません!! 他社の「カブ・インスパイア系バイク」たち ホントにそっくり!?

時代を超えて世界にその名を轟かせてきたホンダの原付モデル、スーパーカブ。2025年をもって50ccモデルの生産が終了されることになりますが、その66年におよぶ歴史の中で他社も「カブそっくり」なモデルを打ちだしてきました。

見間違えるほど「カブそっくり」から個性派まで

 2025年をもって「スーパーカブ」の50ccモデルが生産を終了します。同年11月から施行される「排ガス規制」への適合に対し、市場動向も踏まえてホンダが断念した格好で、結果的に原付一種のカブは66年の歴史に終止符を打つことになります。

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原付一種カブの生産終了が話題の今だからこそ、改めて振り返りたいホンダ以外のカブ的バイクたち。写真はヤマハ・タウンメイト(画像:ヤマハ)

 そんな節目で改めて振り返りたいのが、「カブ・インスパイア系」とも言えるホンダ以外のカブ的モデルたちです。見た目、実用性ともに総じてカブ的なアプローチで、「カブに追いつけ・追い越せ」とばかりに開発された各社のバイクは、ホンダとはおおいなる差別化を目指した個性派ばかりでもありました。

ヤマハ:モペットMJ2(1962年)/ヤマハ・U5メイト(1965年)

 後にホンダと熾烈なシェア争いをすることになるヤマハのカブ的モデルは、1962(昭和37)年に登場したバイクのMJ2が最初でした。見間違えるほどカブの外観に似ており、語弊を恐れずに言えば「類似品」のようにも見えます。ただし、地味に排気量を55ccとし、出足や制動面で既存カブとの差別化を強く図った1台でもありました。

 なお、同モデルの原付一種版・MF2は、この翌月にリリースされますが、外観やコンセプトはMJ2とほぼ同じでした。

 さらに、ヤマハは1965(昭和35)年にUSメイトをリリース。ヤマハのカブ的モデルとしてベストセラーを誇ったメイトの初代モデルは、革新的な分離給油システム、自動遠心クラッチ、ステアリングヘッドからリアフェンダーまでを一体化したUボーンフレームなどを採用し、ライバル・カブにも負けず劣らずの仕様でした。

 この初代、今見ると、カブよりも無骨でどこか日本的なイメージで、実はカブ以上に外観が特徴的なバイクのようにも感じます。ただし、以降は時代ごとのカブに寄せたデザインとなり、その強い個性はやがて消えていったようにも感じます。

スズキ:セルペットMA(1960年)/セルペットME(1962年)

 スズキ初のモペットとして1958(昭和33)年に登場したスズモペットからペダルを廃した後継モデルであり、市場を席巻していたカブの対抗馬として開発されたのが、1960(昭和35)年に発売されたセルペットMAです。カブの意匠の影響を強く感じさせながらも、フレームを低い位置に通したミドルボーンフレームによって、カブ以上の乗りやすさを追求したモデル。一方、レッグシールドは左右分割式で、ハンドルとシートの間にガソリンタンクを設置するなど、ヨーロッパのモペット を彷彿とさせる構成でした。

 ちなみに原付市販車では世界初の4速ミッションモデルでもあり、このエンジンをリチューンしたバイクが後にTTレースでの優勝も果たしました。

 また、スズキ独自の電磁クラッチを初採用したカブ的1台が、1962(昭和37)年に発売されたセルペットMEです。初心者には繁雑にも感じる機械式クラッチの手動操作を省略し、電磁式特有の出足、加速、変速時のショックが少なく、オイルダンパー付きのサスペンションと相まって乗り心地良くスムーズに走れるのが売りでした。やや不恰好にも感じるハンドルすぐ下のガソリンタンクは、翌年リリースのセルペットM30で廃され、以降カブ同様、シート下にガソリンタンクが配置されるようになりました。

【カブよりカワイイ!?】「インスパイア系」バイクたち(写真)

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