国産スクーターって鉄製じゃないの!? 少数派の「鉄スクーター」利点は? ベスパに乗ったら “目から鱗” でした

金属製のフレームに樹脂製のボディパネルを組み合わせた構造の一般的なスクーターに対し、スチールボディのものを「鉄スクーター」と言います。現在ではベスパなど少数しかありませんが、その魅力はどこにあるのでしょうか?

乗ればわかる! 鉄製スクーター=「剛性感の高さ」

 ベスパは輸入車ということもあり、同クラスの標準的な国産スクーターよりも新車価格は1.5~2倍ほど高価です。とはいえ、1946年に誕生したベスパは近代的なスクーターの元祖です。独創的な機構とイタリア車らしいデザイン、圧倒的なブランド力は並みいるライバルの中でも頭ひとつ抜けており、まさしく孤高の存在です。しかし「鉄スクーター」であるベスパには、それ以外にもさまざまな特徴があります。

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2ストエンジン+ハンドシフトの「ベスパ」は、年々厳しくなる排気ガス規制のあおりを受けて生産終了。2000年代以降は4ストエンジン+CVTが主流となる。写真は2スト時代の1963年型「ベスパ GL」(画像:ベスパ)。

 まず挙げられるのは、ベスパのスチールモノコックボディによる「剛性感」の高さです。実際のボディ剛性については、ベスパと他のスクーターを材料力学における軸のねじれの公式を使って数値を算出、比較すれば優劣が明らかになるのは間違いありません。しかし、そのようなことをしなくても、構造的に見てベスパのボディ剛性はスクーターとしては高い方で、それ以上に人間の感覚的な「剛性感」はかなりのものです。

 一般的なスクーターの場合、金属製のフレームに樹脂やプラスチック製のボディパネルを組み合わせているため、路面の凹凸を通過した際の衝撃や振動、コーナリング時の横揺れを受けると、フレームとボディパネルでは前述したように素材が異なることから、わずかな時間差で別々に応力が伝わります。その結果、構成部位ごとに分割された樹脂パネルにたわみやきしみが生じ、それをライダーは「ボディの弱さ」として感覚的に受け取ってしまいます。

 一方、スチールモノコックボディを採用するベスパの場合、一体構造のスチール製ボディなので、車体全体で路面からの入力を受け止めて、衝撃や振動を吸収・減衰します。これにより、ライダーは感覚的にボディの数値以上の剛性、すなわち「剛性感」の高さを意識せずとも自然に感じ取るのです。

 この人間の感覚は、ときに数値上の「ねじり剛性」よりもライダーのインプレッションに影響し、走行安定性やコーナリング時の安心感、長距離ツーリングの疲労の少なさへと繋がります。

【写真】これが三菱重工が造っていた「異端のバイク」です

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