垂直尾翼を失っても飛び続けた!? 米大型爆撃機が半世紀前に起こした奇跡 JAL123便を想起させる“絶望的状況”からの生還
垂直尾翼を失えば、飛行機は制御不能に陥り墜落を免れません。しかし1964年、米軍のB-52爆撃機が、乱気流により尾翼の8割以上を失いながら約6時間も飛び続け、無事帰還しました。絶望の空でクルーたちが挑んだ、執念の操縦劇の全貌に迫ります。
晴天乱気流の直撃で垂直尾翼が消えた!
当該機(60-023号機)には、機体各部にかかる負荷を記録する装置や、構造面への負荷などを記録する装置が約20基、各種センサー類は200以上も搭載されていました。加えて、今回の飛行試験に際しては、左右の内翼にハウンドドッグ巡航ミサイルをそれぞれ1発ずつ搭載していました。
60-023号機はカンザス州ウィチタを離陸すると、段階的に高度を変えながら低空侵入時の機体への負荷を記録することになっていました。ところが飛行試験の開始後しばらくすると、強い気流に遭遇。そこでいったん高度1万4300フィート(約4300m)まで上昇したところで、60-023号機は強烈な晴天乱気流の直撃を、主に側面から約9秒間にわたって受けました。
その結果、急激な機首上げが生じ、それと同時に左への強い揺れと、さらに右への揺れ戻しが起きました。加えてラダーペダルには、速いストロークのバイブレーションが生じ、操作に対して何の反応もありません。結果、60-023号機は制御困難となり、高度5000フィート(約1500m)まで降下したところで、機長のフィッシャーは乗員たちに脱出準備を指示しました。
ところがこの時点で、わずかに機体の制御が可能となったのです。幸いなことに飛行試験中だったのでボーイング本社と無線がつながっており、フィッシャーからの急報で、同社がチェイサー(随伴機)として運用していたF-100「スーパーセイバー」戦闘機1機が、目視確認と状況報告のため60-023号機とランデブーしました。
F-100の操縦桿を握るベテラン・テストパイロットのデール・フェリックスは、60-023号機の状況を目の当たりにして驚きました。なんと、垂直尾翼のほとんどが失われていたのです。





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