JR東日本の赤字ワースト路線はどこ? 71線区を比較 収支と輸送密度から見る厳しい実態

JR東日本が、特に利用者の少ない71線区の収支・営業係数・平均通過人員などを公表しています。今回、上位と下位の線区を比較しました。

営業係数が大きいと赤字額も大きい?

 営業係数が大きい(≒利用が少ない)線区は、赤字額も大きいように見えます。しかし実際は、利用が比較的多い線区の方が、赤字額も大きくなるようです。

 赤字額の最上位は、羽越本線村上~鶴岡間で約55億円です。日本海側の新潟と山形の県境をまたぐ区間です。次いで秋田県の奥羽本線東能代~大館間の約34億円、福島県の常磐線いわき~原ノ町間の約33億円と続きます。これらの線区は都市間を結ぶ幹線です。

 下位を見ると、新潟県の弥彦線弥彦~吉田間の約1億3千万円が最少で、次いで福島県の只見線会津川口~只見間の約1億5千万円、千葉県の久留里線久留里~上総亀山間の約2億円と続きます。このうち久留里線久留里~上総亀山間は、2027年4月1日に廃止されます。

 赤字額は、距離が長いほど額も膨らむため、1kmあたりの赤字額で比較してみました。その結果、山形県の羽越本線鶴岡~酒田間が約7300万円と最も大きく、次いで奥羽本線東能代~大館間の7200万円、羽越本線村上~鶴岡間の約6900万円と続きます。やはり上位は幹線が占めています。

 下位を見ると、只見線会津川口~只見間の約550万円が最少で、次いで米坂線小国~坂町間の約910万円、同じく米坂線の今泉~小国間の約1110万円と続きます。

 米坂線は山形県と新潟県をまたぐ路線で、坂町~小国~今泉間では災害でバス代行が行われています。

 只見線会津川口~只見間は災害復旧に際して経営の上下分離が行われました。運行や車両の維持は従来通りJR東日本が担いますが、鉄道施設の保有は福島県です。このため、バス代行の米坂線とともに他線区より経費が少なくなる傾向にあるのかもしれません。

 ちなみに全71区間の収支総計は、約790億円の赤字です。このうち羽越本線は、新津~新発田間と村上~羽後本荘間が「ご利用の少ない線区」に該当し、収支は合計約114億円の赤字。羽越本線だけで赤字額全体の14%強を占めています。

 JR東日本の2024年度(2025年度3月期)の決算短信を見ると、鉄道事業営業収益合計は約1兆9千億円、鉄道事業営業費合計は約1兆7千億円で、鉄道事業営業利益は約2千億円と公表されています。

【写真】特急が走るけど赤字額が大きい路線を見る

Writer:

1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。

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コメント

1件のコメント

  1. 鉄道なんて、広域長距離で見ないと経済文化的貢献度は計量できないよね。

    所謂盲腸路線は、人口減少によるそれなりの覚悟を想定するべき。

    しかし、国鉄って、もともと、都市部の過密利益で寒村の交通をまかなうビジネスモデルだったんじゃねえの。