戦場の全てが“モニターで丸見え!?” 自衛隊の無人機防衛構想にピッタリな米大手企業の新システム「メッシュランナー」とは

防衛省が計画する沿岸防衛構想「SHIELD」。この構想の鍵を握るかもしれない、アメリカの先端技術企業が開発した新システム「メッシュランナー」について、同社幹部に直接話を聞きました。

AIが「戦場の霧」を晴らす

 この通り、メッシュランナーは各種装備やセンサーを結び付け、今戦場で何が起きているのかを単一の画面の中で表示してくれるシステムです。そうなると、いわゆる「戦場の霧」を晴らし、戦いの中における不確実性を減らす存在として、メッシュランナーは重要になっていきそうです。

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技術開発担当グループディレクターのダンカン・スティール氏(画像:アメンタム)。

 そこで重要になってくるのが、いかに安定した通信を実現するのかという点。通信が途切れ途切れになってしまえば、戦場の可視化は実現できません。スティール氏によると、メッシュランナーはその点についても万全の態勢を整えているといいます。

「メッシュランナーではAIやインテリジェンス機能を活用して、状況に応じたネットワークの最適化を可能にしています。たとえば、車両を制御している最中に、地形などの影響で見通し線内での通信が途切れたとしても、別のノードが通信を確保していれば自動で通信経路や構成を切り替えることができます。同様に、使用可能な通信帯域が低下して必要なデータが得られなくなった場合でも、任務に必要なデータに自動で優先順位を付けて送受信することが可能です」

 このように、仮に一部の装備やセンサーが機能しなくなったとしても、メッシュランナーによって結ばれている別の装備などによって通信をリレーしたり機能を代替したりすることができるほか、通信内容をコントロールすることで通信帯域が限定される環境下でも問題なく作戦を実行することができるわけです。

 ちなみに、メッシュランナーによって結ばれている装備やセンサー、操作パネルを持つ個々の兵士は「ノード」と呼ばれており、そうした個々のノードが連なってネットワークが構成されています。メッシュランナーでは非常に多くのノードを管理することができるとスティール氏は説明します。

「当社の見立てでは、単一のメッシュで約100ノード程度を管理できると考えています。つまり、複数の兵士、複数の小型ドローン、さらには衛星通信へのリンクまで単一のシステム内で管理できるというわけです。とくに、海上防衛の分野では防衛が必要になるエリアが数百海里にまで及ぶ以上、衛星通信がこれに含まれているのは非常に重要です。更に複雑なオペレーションで1000ノード必要な場合は、10メッシュの同時運用によって対応が可能です。

 また、メッシュランナーは構成全体として通信がセキュア(安全)であることを重視しています。当社のサイバー/インテリジェンス部門と私のチームは非常に緊密に連携しており、安全な通信は彼らの専門領域です」

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