戦場の全てが“モニターで丸見え!?” 自衛隊の無人機防衛構想にピッタリな米大手企業の新システム「メッシュランナー」とは

防衛省が計画する沿岸防衛構想「SHIELD」。この構想の鍵を握るかもしれない、アメリカの先端技術企業が開発した新システム「メッシュランナー」について、同社幹部に直接話を聞きました。

日本製システムとの統合はどうなる?

 一方で、自衛隊はすでに富士通や三菱電機、NECなどが開発に関与した国産の指揮統制システムを運用しています。仮にメッシュランナーを自衛隊に提案していくためには、こうした既存の国産システムとの接続が可能かどうかというのは気になるところです。この点について、スティール氏は次のように説明します。

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防衛省が進めるSHIELD構想のイメージ図(画像:防衛省)。

「とても良い質問です。メッシュランナーは、プラットフォームとペイロードの間に入るミドルウェア層として統合できるよう意図されています。そのため、既存システム側のAPIがどうなっているかを確認し、その上で統合の形を設計することになります。場合によっては、既に使われている指揮統制システムがそのまま残り、通信の部分に当社のミドルウェアを使う、という形もあり得ます。

 一方で、当社としてはメッシュランナーを指揮統制システムとして導入していただくご提案も可能です。ただし、それは前方司令部や後方司令部で使うGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)を、既存のシステムや運用方法に合わせて構築できないということではありません。これまでと同様に運用上の一貫性を保てるよう、お望みのGUIに合わせて設定できます。

 最も重要なのは、ばらばらのデータを、迅速な意思決定に使えるインテリジェンスへと変換することです。通信や無線が乱立し、複数画面を見比べるのではなく、単一の運用視点に集約して、適切な時間軸で重要な判断を下せるようにすることが肝要です」

 技術の変化が速い現代において、特定の装備に依存するシステムはすぐに陳腐化してしまいます。メッシュランナーが目指すのは、次世代や別メーカーの装備も柔軟に取り込み、軍が即応性や可用性、作戦性能を維持できるようにする「背骨」のような存在になることというわけです。

【これぜ~んぶ“無人機!?”】アメンタムのシステムでイギリス陸軍が実施した「演習」の様子(画像)

Writer:

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

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