中東から避難民救出「ただし、トイレがちゃんとした機体で!?」 わざわざ“輸送機じゃない”機体で行ったもっともなワケ
中東からの民間人輸送に、韓国空軍が輸送機ではなく「空中給油機」型を投入しました。自衛隊も同様のケースで同種の機体を待機させていましたが、その大きな理由は「トイレ」にあるかもしれません。
航続距離だけじゃない 空中給油機が選ばれたワケ
2026年3月16日、アメリカとイスラエルのイラン攻撃の影響により中東で足止めされていた韓国人204名と日本人を含めた外国人7名を乗せた韓国空軍の輸送機が、サウジアラビアのリヤドから韓国、ソウル近郊の城南(ソンナム)市に所在するソウル空港までの輸送を行いました。
韓国政府はイラン攻撃が開始されて以降、民間機やチャーター機を手配して自国民の避難を支援してきましたが、民間機などによる避難には限界があることから、「砂漠の光」作戦に基づいて救援機をサウジアラビアに派遣。自国民と、日本をはじめとする、戦争などの緊急状況で自国民を退避させる際に協力する覚書を交わしている国の国民を輸送したといわけです。
韓国空軍はこの「砂漠の光」作戦に、エアバスA330MRTT「シグナス」空中給油・輸送機を投入しています。A330MRTTはエアバスのベストセラー旅客機「A330-200」をベースに開発された空中給油・輸送機です。主任務は韓国空軍の戦闘機などへの空中給油ですが、最大300人の人員と貨物47トンの空輸が可能で、最大航続距離は1万4800mに達します。
ではなぜ、輸送機ではなく、あえて空中給油機型で救援を行ったのでしょうか。
2026年3月の時点で韓国空軍が保有しているKC-330を除いた最大の輸送機は、航空自衛隊も運用しているC-130H輸送機(最大航続距離約4000km)なので、長距離を飛べるA330-MRTTを派遣するのは当然と言えば当然です。
ただ、実際の避難民輸送は行わなかったものの、航空自衛隊が避難民輸送のためモルディブに待機させていたのも、C-2輸送機(同5700km/20t搭載時)ではなく、ベストセラー旅客機「ボーイング767」の貨物機型をベースに開発されたKC-767空中給油輸送機(同7600km/30t搭載時)でした。
A330-MRTTもKC-767もC-130HやC-2より航続距離は長いですし、多数の人員を輸送するための座席パレットを搭載できるので、兵員の輸送を想定した戦術輸送機のC-130HやC-2より民間人の輸送に適していることは確かですが、日韓両国が民間人の避難にあえて空中給油・輸送機を使用しようとしたのには、もう一つ大きな理由があると筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思います。
それは「トイレ」です。





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