「100年続く海洋調査船」33年ぶりの新型がついに進水! サバ・イワシから不法投棄の放射能まで調べ尽くす!
水産研究・教育機構向けの漁業調査船「蒼鷹丸」の新型が進水。既存船から大型化して航続距離を延長、女性研究員の乗船にも対応した居住環境を整備するなど、さまざまな点がアップデートされています。
新造船は「大きくスペック向上!」
2027年1月にデビューする新「蒼鷹丸」の調達は一般競争入札で行われ、2024年3月に三菱重工業グループの三菱造船が95億2600万円で落札しています。総トン数1100トンで、全長は71.5m、幅は12m、定員は36人。
季節を問わず北太平洋全域で調査することを想定し、8000海里(約1万4800km)以上の航続距離と25日間以上の連続航海が可能な船体性能と居住環境を持つほか、女性の研究員や乗組員が乗船することを前提とした設備を備えました。
4代目「蒼鷹丸」と基本的な役割は変わらないものの、既存船のスペックは892総トン、航続距離7000海里なので、船体規模の大型化に伴ってスペックが大きく向上しています。
船型は底引き網(トロール網)を使用してカニや底魚の採集を行う着底トロールに対応するためトロール型を採用。新鋭の軽量魚群探知機など調査観測機器を搭載します。船尾側にトロール用のウインチを2つ備えたことで、2種類の網を積載できるようになりました。これにより、航海中に港へ寄って網を積み替えることなく、複数の資源調査を継続して行えます。
船内設備ではブロードバンド対応による陸上との連携強化と船内通信網の整備、女性研究員などの乗船に配慮した十分な区画の確保、機関室の自動化システムや航海情報統合システムなどを導入。研究設備もウェットラボ、ドライラボ、セミドライラボの3部屋へと拡充されています。
地球温暖化による海の環境変化が問題となる中、魚や貝などの水産資源の状況を把握し、適切に管理していくための継続的なモニタリングは必要不可欠です。新たな「蒼鷹丸」には、将来にわたって日本の食生活を守る重要な使命を担うことが期待されています。
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。





コメント