「100年続く海洋調査船」33年ぶりの新型がついに進水! サバ・イワシから不法投棄の放射能まで調べ尽くす!

水産研究・教育機構向けの漁業調査船「蒼鷹丸」の新型が進水。既存船から大型化して航続距離を延長、女性研究員の乗船にも対応した居住環境を整備するなど、さまざまな点がアップデートされています。

100年の歴史を継ぐ5代目の新調査船

 水産研究・教育機構(水研機構)向けの漁業調査船「蒼鷹丸(そうようまる)」が2026年3月24日、三菱重工業下関造船所で進水しました。竣工は2027年1月を予定しています。

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進水した5代目「蒼鷹丸」(深水千翔撮影)。

 水研機構は水産庁所管の国立研究開発法人で、絶滅が危惧されているニホンウナギの完全養殖などに取り組んでいることで知られています。同機構では7隻の調査船と2隻の練習船を運用しており、これらの船が航海を通じて収集したデータは、効率的な漁を行うための漁海況予測や、水産資源の持続的な利用を行うための資源評価といった、私たちの食生活にも関わるものに役立てられています。

 今回、進水した「蒼鷹丸」は、1925年3月に竣工した初代「蒼鷹丸」(202総トン)から数えて5代目に当たります。当時、日本が保有する最優秀の調査船として竣工した初代「蒼鷹丸」は、日本近海の大陸棚調査や官公庁船と共に行った一斉海洋調査などで活躍しました。

 以降、100年以上にわたる海洋調査の歴史において、「ソウヨウウズマキ」や「ソウヨウリュウグウエビス」など数多くの生物に、歴代の「蒼鷹丸」に由来した和名や学名が付けられています。このように世界的にも名が通っていることから、新造船でも「蒼鷹丸」の船名を引き継ぎました。

サバ・イワシから放射能まで 日本の海を徹底調査

 現在は1994年10月に竣工した4代目の「蒼鷹丸」(892総トン)が運用中です。横浜港を拠点に、黒潮が流れている本州・四国沖合の太平洋でサバ・イワシなど小型浮魚類の資源調査、魚の餌となるプランクトン調査、海底土採集による放射能調査、日本周辺における放射能モニタリング、黒潮の変動把握に向けた海洋モニタリング観測など、漁業に関連したさまざまな海洋調査を行っています。

 特異なものとしては放射能調査で、旧ソ連・ロシアが日本海やオホーツク海へ放射性廃棄物を不法投棄した影響を調査するため、深海籠網を使用した深海生物の採取や、採泥器を使用した海底土の採取を実施しています。

 2011年からは東京電力福島第一原子力発電所事故による放射性物質の分布や生態系への影響を調査するため、福島県沖でも生物試料や海水、海底土試料の採取を行っています。

【あ、そこから網出すのね】これが新型「海洋調査船」です(写真)

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