青い「北斗星の機関車」が南国で孤軍奮闘! たかがナンバープレート、だがしかし…「しっくりくる」姿に思わず感嘆 日タイ技術者が奔走
日本からタイに渡った2両のDD51形ディーゼル機関車が、日本人有志の手によって現役時代の姿を取り戻しつつあります。その一環として、国鉄時代の文字を再現したナンバープレートが製作され、現地でお披露目されました。その製作は、一筋縄ではいかないものでした。
「見慣れた字体」が試行錯誤を経て復活
現地業者は果たして正確に理解できるのか。そのためには、どのように情報を伝えるべきか。当初は手探りの状態でしたが、辛嶋さんがナンバープレートの実寸を計測して、図面の読み方をアドバイスし、日本側からもサポートの手が届きます。
そして、PowerPointの作図と指示書、写真、手書き図面を組み合わせて発注する方法を採用。その際に、日本ではよくあるような曖昧な表現や情報を排除して、必要な情報を整理して提示し、あとは加工業者を信頼しました。
しかし、これで解決とはなりません。懸念であったのは、鉄板プレートとステンレス製の切り抜きナンバーの組み付けです。日本の機関車はボルト留めをする設計ですが、今回の支援事業では予算の制約があり、この方法が難しい状況でした。
異素材同士の接着は、走行中の脱落危険性をはらみます。それは絶対に避けなければなりません。辛嶋さん、ソンウッドさん、加工業者のアドバイスをもとにリスク検討し、最終的に溶接技術を信頼し、溶接による組み付けを採用しました。
ナンバープレートの完成は約1か月。待ち遠しい日々が過ぎ、TEAM51に完成品が渡ると、ミスもない美しい仕上がりに多大なる安心感を得られました。下準備から発注まで慌てずに試行錯誤を重ね、こうして国鉄時代を彷彿させる逸品が仕上がったのです。
1142号機は先行して再塗装作業に入り、ナンバープレートも取り付けられました。炎天下でのお披露目の瞬間、ツアー参加者から感嘆の声が上がりました。慎重に製作されたナンバープレートは、我々日本人にとって見慣れた字体であり、1142号機の正面と側面で銀色に輝く国鉄時代を彷彿とさせるプレートは、北海道で活躍していた姿を連想させました。
かたや、1137号機はまだAS社仕様のナンバープレートで、再塗装も実施されていません。両機の色は「青20号と青15号くらい違いますが(笑)」と吉村さん。同時に作業できなかったのは、旧泰緬鉄道であるナムトック線の線路工事に1137号機が充当され、工期が延長されたため、やむなく1142号機を先行させて作業したです。
1137号機は「戦場にかける橋」ことクウェー川鉄橋や、木橋のタムグラセー(アルヒル)桟道橋を走行して話題となりました。一方で再塗装作業が大遅延し、TEAM51は調整作業に悩まされました。両機の再塗装とナンバープレートお披露目は叶いませんでしたが、1137号機は再びナムトック線の工事作業に従事した後、再塗装作業とナンバープレート交換へと入りました。1137号機は4月2日に無事作業を終了し、両機は再び美しい姿で肩を並べています。
Writer: 吉永陽一(写真作家)
1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。日本写真家協会(JPS)正会員、日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。





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