空母の艦橋(アイランド)は甲板の右側? 左側? 全世界で共通する配置場所の理由とは
平らな飛行甲板にそびえ立つ空母の艦橋。現在の配置場所が決まるまでには、さまざまな試行錯誤がありました。
世界初の空母は“ドまんなか”にあった!?
空母の艦橋は「アイランド」と呼ばれ、飛行甲板の片側に寄せて設けられています。飛行甲板を目一杯に使って、艦上機を離着艦させなければならないからです。現代の空母は、各国ともアイランドが右舷側に置かれていますが、それはなぜでしょうか。
「ブリッジ」と呼ばれる一般的な艦船の艦橋/船橋は、前後の違いこそありますが、基本的には艦船の首尾線(艦首-艦尾を結んだ中心線)上に設けられています。世界初の空母とされる英国の「フューリアス」(1917年就役)も、当初は艦の中央部にブリッジがあり、艦首と艦尾に飛行甲板が振り分けられていました。
しかしそれでは艦上機の離着艦が難しかったため、飛行甲板上に障害物がなにもないフラッシュデッキ(平甲板)型空母の「アーガス」(1918年就役)が造られました。このフラッシュデッキ型空母では、艦首の飛行甲板最前部の真下にブリッジが設けられましたが、高さがないため見張り時や操艦時の視界の不足が悩みの種でした。
そこで、出入港時と艦上機の離着艦時に邪魔になりにくい場所として、右舷側にブリッジが設けられ、空母の場合は特に「アイランド(島)」と呼ばれるようになりました。英語で左舷のことをポート(Port)といいますが、これは船を岸に着けるとき、左舷で接岸する習慣にちなんだ名称です。つまり、岸に着ける側でなく海側にあったほうが、慣習的に操艦しやすいことが、アイランドを右舷に置いた理由です。
加えて、エンジンの回転トルクにより機体が左舷側に寄りやすいことや、大半を占める右利きのパイロットにとっての危機回避のしやすさ(操縦桿を右手で握るとき、左側に倒すほうが素早く、力強く行える)なども考慮され、右舷配置が定着しました。
なお実際の接岸では、岸とアイランドの間の直接的なやりとりの利便性や、接舷・離舷作業の確認のしやすさから、空母は右舷で接舷することがほとんどです。





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