空母の艦橋(アイランド)は甲板の右側? 左側? 全世界で共通する配置場所の理由とは

平らな飛行甲板にそびえ立つ空母の艦橋。現在の配置場所が決まるまでには、さまざまな試行錯誤がありました。

世界初の空母は“ドまんなか”にあった!?

 空母の艦橋は「アイランド」と呼ばれ、飛行甲板の片側に寄せて設けられています。飛行甲板を目一杯に使って、艦上機を離着艦させなければならないからです。現代の空母は、各国ともアイランドが右舷側に置かれていますが、それはなぜでしょうか。

Large 20260411 01

拡大画像

飛行甲板にそびえ立つアイランド。その位置には理由が…(画像:アメリカ海軍)

 「ブリッジ」と呼ばれる一般的な艦船の艦橋/船橋は、前後の違いこそありますが、基本的には艦船の首尾線(艦首-艦尾を結んだ中心線)上に設けられています。世界初の空母とされる英国の「フューリアス」(1917年就役)も、当初は艦の中央部にブリッジがあり、艦首と艦尾に飛行甲板が振り分けられていました。

 しかしそれでは艦上機の離着艦が難しかったため、飛行甲板上に障害物がなにもないフラッシュデッキ(平甲板)型空母の「アーガス」(1918年就役)が造られました。このフラッシュデッキ型空母では、艦首の飛行甲板最前部の真下にブリッジが設けられましたが、高さがないため見張り時や操艦時の視界の不足が悩みの種でした。

 そこで、出入港時と艦上機の離着艦時に邪魔になりにくい場所として、右舷側にブリッジが設けられ、空母の場合は特に「アイランド(島)」と呼ばれるようになりました。英語で左舷のことをポート(Port)といいますが、これは船を岸に着けるとき、左舷で接岸する習慣にちなんだ名称です。つまり、岸に着ける側でなく海側にあったほうが、慣習的に操艦しやすいことが、アイランドを右舷に置いた理由です。

 加えて、エンジンの回転トルクにより機体が左舷側に寄りやすいことや、大半を占める右利きのパイロットにとっての危機回避のしやすさ(操縦桿を右手で握るとき、左側に倒すほうが素早く、力強く行える)なども考慮され、右舷配置が定着しました。

 なお実際の接岸では、岸とアイランドの間の直接的なやりとりの利便性や、接舷・離舷作業の確認のしやすさから、空母は右舷で接舷することがほとんどです。

【写真】すべて右側配置! 各国空母を見てみよう

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス