「ダントツで世界最大」の航空会社が米で誕生へ? “ビッグ3”ユナイテッドのアメリカン合併提案 “野心家CEO”の素顔とは

アメリカの航空大手トップが同業大手との合併案をトランプ大統領に直訴したと報じられました。実現すれば断トツで世界最大の航空会社が誕生します。合併案に駆り立てた背景には納得の理由がありました。

トランプ政権下でマジで実現?

 残る二つの背景は、トランプ政権が影響しています。トランプ政権とイスラエルのネタニヤフ政権によるイラン攻撃に端を発したジェット燃料価格の高騰が業績を圧迫するのと、企業寄りが鮮明なトランプ氏が競争を緩和させるM&Aに容認姿勢を示していることがあります。

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アメリカン・ユナイテッドとともに「ビッグ3」とされるデルタ航空のボーイング737(大塚圭一郎撮影)

 攻撃を受けたイランは対抗策として、原油の世界供給量の約2割が通航するホルムズ海峡を事実上封鎖。カービー氏は従業員への書簡で「ジェット燃料価格はこの3週間で2倍超に跳ね上がった。もしもこの価格水準が維持されれば、ジェット燃料費だけで年間110億ドルもの追加支出が発生する」と説明しています。

 企業統合についてジョー・バイデン前大統領(民主党)は競争緩和を招き、値上げにつながるとして厳しく目を光らせていました。企業競争を促し、価格を下げることをもくろんで2021年7月には大統領令「アメリカ経済における競争の促進」を発令しました。

 ところがトランプ氏は2025年8月、この大統領令を撤回しました。つまり、「バイデン前政権下では認められなかった大企業同士の再編が、トランプ政権に代わったことで認められる可能性が高まった」(企業幹部)という図式があります。

 ただし、ユナイテッドとアメリカンを合計したアメリカでの市場占有率(シェア)は3分の1余りに達します。たとえ両社が合併することで合意しても、アメリカ当局が反トラスト法(独占禁止法)に照らして審査することになり、ブルームバーグも「消費者や政治家、競合他社からの大きな反発を招く公算が大きい」と伝えています。よって、合併の道が険しいのは間違いありません。

 両社は航空連合も異なり、ユナイテッドがANAなどの加盟する「スターアライアンス」なのに対し、アメリカンはJALなどと同じ「ワンワールド」です。合併する場合には航空連合同士の激しい綱引きが予想され、離脱する航空連合の加盟航空会社は大きな打撃を受けかねません。

 カービー氏は従業員への書簡でジェット燃料価格高騰などの逆風下でも「準備は万端で、計画があり、その計画を実行し続ける」と訴え、「安心して夜眠ってほしい」と呼びかけました。しかしながら、浮き彫りとなったアメリカンとの合併案は航空業界を覚醒させ、一杯のアメリカンコーヒーのように夜眠りにくくさせそうです。

【野心家】この人が合併提案した「ユナイテッドのカービーCEO」です(写真)

Writer:

1973年、東京都生まれ。97年に国立東京外国語大学フランス語学科卒、共同通信社に入社。ニューヨーク支局特派員、ワシントン支局次長を歴任し、アメリカに通算10年間住んだ。「乗りもの」ならば国内外のあらゆるものに関心を持つ。VIA鉄道カナダの愛好家団体「VIAクラブ日本支部」会員。

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コメント

1件のコメント

  1. さっそくAAは否定し、断固断ると声明出しております。

    アメリカン航空はワンワールドの旗頭である以前に、その名前の通り米国内小都市にもきめ細かく路線を提供する、アメリカ各州市民のための各州協賛の米国内の半ば国策(州政府公認)航空会社でもあります。スターアライアンス所属のUSエアウェイズとの合併は米国内の州と州をつなぎアラスカ路線もありましたので、合併には肯定的で政府も後押ししました。

    しかし今回のトピックは、儲けしか見ておらず国際線での財務のウェイトも大きいユナイテッド代表取締役がビックマウスで在任中に何かしらの仕事をしてみたアピールに過ぎません。

    そもそも現段階はAAに根回しも通っていないのが現状なので、株主から反対され各州から独占禁止を表明されれば、今後もユナイテッドからのアピールはあるでしょうが、そこで話は終わりとなります。

    なお、この背景の一つには、大西洋と中南米のデルタと大西洋のノースウエストの合体版である現デルタ航空が筆頭株主のAMEXの出資と戦略に上手く乗り、本社のアトランタから中南米のLATAM航空を丸ごと傘下に置きつつ、大西洋のシェアもエールフランスーKLMオランダ連合との相乗効果でトップシェアにあり、AMEX会員の利用率もあって事業規模ではなく、売上規模ではデルタがユナイテッドを上回っている事実が大きく、

    ユナイテッドCEOのビックマウスは、ボーイングと歴史的に親密であるのに関わらず、なおかつデルタ航空と特にAMEXには敵わないことへの焦燥感もあるものと解釈しております。

    このような背景を知らずに、アライアンスをまたいでの無理筋な合併話題を安易に投稿する段階で、筆者がいかに国際線経験がなく(つまりステータス乗客としてはプライオリティがおそらくない)、AMEXホルダーとしての使用実績が無きことも見て取れます。

    なお、米国内重視のAAが燃油負担に喘ぎ、中国のエアラインをワンワールド傘下に持たない事でアジア太平洋路線や国際線をこれ以上拡大せずに、デルタ航空とユナイテッドの闘いを静観することはあり得ます。

    その場合ワンワールドは一国一社の加盟エアラインが多くコードシェアも自由に組める緩い連合体であるので、

    万が一アメリカン航空が日本路線を削ってしまった場合にJALがデルタ航空とマイル付与提携しコードシェア運航する可能性はあるかと思われます。

    理由は破綻前国策会社の日本航空以来、JALは既に大韓航空、台湾中華航空、上海東方航空、エールフランスとのコードシェア関係が継続しているため、スカイチームとの提携が増えるに過ぎないからです。

    更に太平洋戦争後、日本航空発足時はコンチネンタル航空を傘下に置き太平洋ー米国路線の3分の1近くを差配していた

    ノースウエスト航空が機体やノウハウをJAL助けていた歴史もあります。

    大きなお節介とは思いますが、

    投稿するなら、この程度の知識は持った上で執筆されることをお勧めします。

    アライアンスのダイヤ資格を複数持つユーザーには執筆される方の搭乗能力は知識、経験のバックグラウンドは読むと大体類推できるものです