台湾の対岸に「旧式戦闘機」が集結なぜ!? 現代戦に使えない機体が “恐るべき自爆兵器” になる日

中国・福建省の最前線基地で撮影された1枚の衛星画像が波紋を呼んでいます。そこに写っていたのは、現代戦では到底通用しないはずの旧式戦闘機「J-6」でした。なぜ今さら半世紀前の骨董品が引っ張り出されたのでしょうか。

老朽戦闘機を「過去の遺物」と侮るなかれ

 元々有人機であるJ-6は既存の自爆型ドローンと比べても大きく、機体容積を活かして相当量の爆薬を搭載可能です。加えてジェット機としての高速性能を保持している点で、通常のプロペラ式ドローンとは一線を画す脅威となり得ます。

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中国人民解放軍の無人機群。この制御技術を老朽化した戦闘機に組み合わせたら……(画像:AVIC)。

 中国は老朽化した航空資産を、廃棄対象としてではなく戦力体系の一部として再利用しているのだと言えます。無人機へと改修することで、パイロットの損耗を回避しつつ、敵防空網への突入を前提とした「使い捨ての特攻兵器」として運用するのであれば、そのコストパフォーマンスは極めて高いと言えるでしょう。

 さらに重要なのは、これらの機体が前線に近い航空基地へ進出したという点です。後方の保管施設ではなく、台湾にほど近い福建省の基地に姿を見せたというのは、実戦運用を想定した配置、または訓練の一環と見るのが自然であり、それは中国側がこの「無人J-6」を一定の戦術的価値を有する戦力として評価していることを示唆しています。

 すなわち、第一波攻撃における防空網の消耗誘発、あるいは重要目標への飽和攻撃といった任務に投入される価値があると見なされている可能性があります。

 航空作戦が、最先端のステルス戦闘機や精密誘導兵器といった存在に重点が置かれていることに変わりはありませんが、それと並行して、低コストで大量投入可能な「準ミサイル的航空機」を組み合わせることで、より複雑かつ対処困難な攻撃体系を構築する。そこにJ-6の新たな価値を見出しているのがわかります。

 このような動きを鑑みると、台湾海峡を巡る軍事バランスは、こうした多層的な戦力運用によって、従来の定量的比較では測りきれない段階へと移行しつつあると捉えることが可能です。

 J-6という過去の遺物が、無人化という新たな役割を与えられることで再び戦場に姿を現した事実は、軍事技術の進化が必ずしも「新しいもの」だけによって担われるわけではないことを、改めて示していると言えるのではないでしょうか。

【写真】どこかで見た形? これが中国オリジナルのUAVシリーズです

Writer:

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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コメント

1件のコメント

  1. 昔々、三菱は少数のF-104を無人機化してた時期がありましたが、その技術はどうなったんでしょうねぇ?