巨大船が「カニ歩き」できる謎! 舵がいらない船底の“360度グルグル回る足” じつは日本最大級の探査船でも活躍!
「船」の一般的なイメージは、前へ進むか、ゆっくりバックする姿ではないでしょうか。しかし、港で大型船を引っぱるタグボートや、一部の客船などは、真横へカニ歩きをしたり、その場でコマのようにクルクルと旋回したりすることができます。
なぜカニのように動けるのか? 注目を集めた日本最大級の探査船にも
では、なぜこの装置を使うと「真横」に動けるのでしょうか。その秘密は、タグボートなどでこの装置が「2基」搭載され、左右の推進器を別々の向きに振れることにあります。
左右2つのプロペラをそれぞれ異なる方向(ハの字など)に向け、生じる力を合成して前後の推力を打ち消し合うことで、船体を真横に移動させたり、その場で旋回(自転)させたりすることが可能になるのです。
これは、一般的な「固定プロペラ+舵」だけの構成では極めて難しい動きであり、狭い港の中で大型船の離着岸を支援するなど、高い操船性が求められる場面で非常に有用な方式として知られています。
また、安全性においても利点があります。プロペラの向きを180度反転させて強力なブレーキをかける「クラッシュアスターン(急停止)」では、従来の方式よりも停止距離が短くなるといったメリットがあります。こうした操船性の向上を狙って、近年では客船やフェリーなどでも採用される例が増えています。
ちなみに昨今、レアアースの試掘で注目を集めた日本最大級の探査船「ちきゅう」にもアジマス推進器は装備されています。
「ちきゅう」は、これを船底の船首側に3基、船尾側に3基、計6基備えており、それぞれ任意の方向に向けることで前後進や左右の回頭だけでなく、波や風の強いなかでもヘリコプターのように同一エリアに留まることが可能です。
資源探査の世界でも活躍する「アジマス推進器」、実は意外な船にも備わっているのです。





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