ポーランドは日本のナニが欲しいのか? 防衛分野で急接近の両国 韓国兵器“爆買い”の次が?
日本とポーランドが防衛装備品の輸出に向けた枠組みを構築します。ただ、ポーランドが欲しい装備品は何でしょうか。それは必ずしも完成品とは限りません。
ポーランドは日本に何を期待するのか?
では、ポーランドにとって日本と防衛装備品の協力を進めるメリットはどこにあるかといえば、他の欧米諸国の企業と同様、日本企業を自国の防衛企業のサプライチェーンに組み込む意図があると考えられます。
日本はこれまでほとんど防衛装備品の完成品を輸出したことはありませんが、日本企業の開発・製造した部品やコンポーネントに対する評価は高く、それを自国の防衛企業が製造する防衛装備品に使用したいと考えている外国企業は少なくありません。
たとえば、4月15日付のロイターはラトビアのズィグマールス・ズィルガルヴィス駐日大使の話として、同国の軍用車両メーカー「VRカーズ」が2023年に、同社が開発する軍用車両のエンジンを、トヨタ自動車の子会社で特殊車両を手がける「トヨタカスタマイジング&ディベロップメント」から調達しようとした話を紹介しています。
この時はラトビア当局が仲介を試みたようですが、トヨタカスタマイジング&ディベロップメントはロイターに対して「当社の事業範囲と方針に照らし、軍用車両に関する依頼には対応できないと判断した」とコメントしており、VRカーズもその判断を尊重したためこの話は立ち消えになりました。
一方、4月にはイギリスの防衛エンジニアリング企業であるバブコック・インターナショナル・グループが、現在イギリス陸軍が汎用四輪駆動車として運用している「ランドローバー」の後継車両に、トヨタ「ランドクルーザー」「ハイラックス」をベースとする車両を提案したと発表しました。このように日本製の部品やコンポーネントに対する評価には高いものがあります。
前に述べたボグシェフスキ駐日ポーランド副大使は「日本が加わることで解消できるボトルネック(業務において生産能力が最も低く全体の流れやスピードを停滞させている箇所)がある」と述べています。
防衛装備移転三原則と運用指針の改定により、オーストラリアへの水上戦闘艦の輸出のような大型の完成品の輸出案件も増加していくものと思われますが、日本企業が正式な協定を締結した欧米の大手防衛企業のサプライチェーンに加入して、部品やコンポーネントを供給して実績を積んでいくことも必要なことだと筆者は思います。日本の防衛産業を強靭にして、かつ同盟国・同志国との関係を強化していくことになるでしょう。
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。





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