これがカブ!? よく見ろ“ビミョーに名前が違う”だろ――30年前のホンダが放った「世界初の市販電動バイク」とは? 20年後に再来!
ホンダは1990年代、他社に先駆け世界初の市販電動バイクを発売しました。「カブ」と誤読されそうな名を持つこのバイクから、30年以上続くホンダの電動バイクへの挑戦と、近年のリコール騒動までを振り返ります。
あえて「カブ」と誤読される覚悟で命名された理由
今ほど環境問題などが注目を浴びなかった1990年代、ホンダは他バイクメーカーに先駆け、世界初の市販電動スクーターを発売しました。
その名はCUV ES。一見すると「え? スーパーカブのスクーターが出たの?」と誤読してしまいそうですが、カブのスペルは「CUB」。この電動バイクのスペルは「CUV」であり、読み方は「シーユーヴィー イーエス」なのでした。
ホンダの矜持たる商標「カブ」と誤読される覚悟で、あえてこの名が付けられたこの電動バイク。そこには、並々ならぬ開発への想いが詰まっていました。
1980年代からホンダは、環境保全への対応に取り組み、エネルギー源の多様化に向けて研究開発を重ねていました。これらで培った電動技術と、バイクの設計技術とをかけ合わせて誕生させたのがCUV ESです。
当時のリリースによれば“都市部での使用など比較的短距離での移動に適した原付スクーターの特性や、手軽で軽量かつ機動性が良く、省スペース性に優れたミニマムトランスポーター”であるとしています。また“排気ガスを出さないクリーンで静かな新しい乗り物”とあり、今日の電動バイクの合理性やコンセプトを、ホンダが1990年代にしてすでに確立していたことがわかります。
ライバル・ヤマハの初の電動バイクは数々の賞を受賞
ただし、このCUV ESの市販台数はわずか200台でした。
販売後はバッテリー充電・回収などを行うため、使用状況を管理する「官公庁や自治体向けの3年間のリース販売」で提供されました。価格は85万円がベース。よって一般に出回るEVバイクではなく、ホンダとしてはある種の「自社開発の製品パフォーマンス」的な意味合いでのリリースだったかもしれません。
そのため一般バイクユーザーにはほとんど知られなかった一方、バイク業界や官公庁・自治体では「未来のバイク」としておおいに注目を浴びた1台でした。
ちなみにライバル・ヤマハによる初の電動バイクは2002年に地域限定で発売されたPassol。ヤマハもまた自社の歴史を語るに欠かせない大ヒットスクーターの名をそのまま冠させ、「エレクトリックコミューター」としてリリースしました。
このPassol は、1993年に「世界初の電動アシスト自転車」として、ヤマハが発売したPASの知見を大いに活かされ、「省エネ大賞・資源エネルギー庁長官賞」をはじめ、数々の輝かしい賞を受賞。この点では、電動バイクの先駆けだったCUV ESよりも時代の注目度と合致していたことがうかがえます。





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