今や「500万円越え」!? カワサキの名車に“なぜか1本多いマフラー”で対抗 スズキらし~い独特すぎる名車とは
スズキのロードスポーツモデル・GT380は、1970年代前半のミドルクラスのバイクを語る上で欠かせません。この通称「サンパチ」は、一見すれば普通のロードスポーツバイクに見えますが、スズキらしい独自性があります。
3気筒なのに4本出しマフラーの謎
また、3気筒でありながらマフラーは「4本出し」なのも不思議ですが、ここもまたスズキらしい独自性が隠されていました。
前述のGT750で触れた「直列配置した3つのシリンダーのうち、中央のシリンダーの加熱が高まる」ことを考慮し、この中央シリンダーの排気をエンジン下で2本に分け、排気性能を高める理由から「4本出し」になっていました。もちろんこのことで静粛性も高まり、フォルム的な美しさにも寄与しています。
「サンパチ」は速さだけでなく、こうした独自性でもまた注目を浴びた1台でした。
基本的にはロードスポーツモデルとして扱われることが大半だった「サンパチ」ですが、そのドッシリとした乗りやすいライドポジション、速さだけでないトルクフルな性能から、オフロード的な乗り方をするユーザーも一定数存在したほどです。
その前方ヨシとも言える性能は、当時の自動車教習所で「教習車」として導入されることもあったといわれています。
ただし、1970年代後半のミドルクラスの2ストロークモデルはレーサーやモトクロッサーを除いて、人気が下火となり、GTシリーズの終焉と合わせて「サンパチ」も1978モデルをもって生産終了になりました。
同時代のカワサキ・マッハシリーズはアメリカでの数々の逸話もあり、その点では「サンパチ」はやや地味に感じるところもあります。しかし、その速さだけでない汎用性の高さは、マッハに劣らない性能を持つモデルでもありました。
また、リアルタイム世代の旧車愛好家はもちろん、旧車會の間でも安定人気で、現在の中古市場では程度の良い個体は500万円を超えることもあります。
スズキ独自の開発によって、三方ヨシを実現した「サンパチ」の性能の素晴らしさは生産終了から48年を経過した今なお高評価を受け続けているように感じます。
Writer: 松田義人(ライター・編集者)
1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。





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