従来型と明らかに違う! 陸自の新たな「動く司令部」初披露! “44年前の旧式”ついに更新か

静岡県で行われた富士総合火力演習にて、陸上自衛隊の新型装甲車「AMV」の派生型である「指揮通信型」が初披露されました。アンテナ増設や拡張されたキャビンなど、その特徴を解説します。

「動く指揮所」ならではの外観と拡張されたキャビン

 82CCVが通信アンテナを4本装備するのに対し、AMVはより多くの通信アンテナを持ちます。これは、現代戦ではそれだけ通信量(ネットワーク)が増えているということを意味するのでしょう。

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水陸両用車AAV7の指揮通信型(武若雅哉撮影)

ちなみに、水陸機動団に配備されている指揮通信型AAV7は、艦艇との連絡通信も行うことから、通信アンテナを8本装備しています。

 上部が拡張されたキャビン部分は、車内で立ち上がって動くことを想定していると考えられます。実際、人員輸送型のAMVのキャビンは、椅子が対面で配置されており、車内を動きまわるには天井が低いという欠点があります。ただ、これは最前線に行くことを想定した場合、車両前面の投影面積を小さくすることで、被弾率を下げるのが目的であるため、致し方ない部分ではあります。

 その一方で、最前線ではなく少し後方で活動する指揮通信型は、多少車高が高くなっても、キャビン内を立ったまま動けるスペースがあった方が使い勝手が良いです。また、指揮通信型は、状況に応じて「移動指揮所」にもなるため、車内には作戦図や戦況を記録するための掲示板なども設置されます。こうしたことを鑑みると、ある程度の「室内高」が必要になるのです。

 AMVの指揮通信型ですが、まずは全国の即応機動連隊への配備が進められるでしょう。その後は普通科連隊や野戦特科部隊、師団・旅団の本部付隊などへ配備されると考えられます。老朽化が叫ばれて久しい82CCVの後継車両がようやく登場したことで、現場の士気は大きく向上することになるでしょう。

 なお、AMVは今回登場した指揮通信型以外にも、「施設作業型(EV型)」や「兵站支援型」、そして「装甲救急車型」などの派生型も登場する予定です。

【写真】陸自の新たな指揮通信車「AMV派生型」上から後ろまでイッキ見

【特集】日本を守る新装備の数々 陸自最大の実弾演習「総火演2026」で初披露!

Writer:

2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。

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