「台湾有事」が起きたら再び戦火に…? 中国まで最短2km「金門島」で聞いてみた 世界でも類を見ない「戦争遺産」の島【後編】

中国が台湾に軍事侵攻した場合、その最前線となりうるのが中国本土の目と鼻の先に浮かぶ「金門」の島々です。幾度も戦争の舞台となった現地ですが、「台湾有事」がいわれるなか、地元の人々の率直な声を聴くことができました。

「古寧頭戦役」では日本人が関与し、人民解放軍を追い払った

 第二次世界大戦終了後、中国大陸では、その混乱の最中で、毛沢東率いる中国共産党と、蒋介石率いる国民党の間で国共内戦が再燃。中国共産党は1949年に、国民党を破り、「中華人民共和国」の成立を宣言します。

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金門にはかつて10万個ともいわれるほど地雷が敷設された。小金門にある元軍事施設は「地雷展示館」に変え、戦争および地雷の恐ろしさを伝えている(2026年、松田義人撮影)

 この際、破れた蒋介石率いる国民党は、すでに接収していた台湾に拠点を完全に移し、孫文が1912年に建国していた中華民国を運営するようになります。

 蒋介石が中国大陸から台湾へと逃げる中、福建省沿岸の金門や馬祖といった島々は、中華民国軍が駐屯したままで、中国人民解放軍は、これら2つの島を奪取しようと攻撃。対する中華民国軍も対抗しました。

 この戦闘は「古寧頭戦役」と呼ばれます。ここで元日本陸軍人・根本 博が秘密裏に中華民国軍側に関与し、わずか数日ほどで中国人民解放軍を追い払ったことも一部で知られています。

21年にも及んだ「金門砲戦」

 中国人民解放軍もそれから約9年後の1958年には再び金門に砲撃を開始。「金門砲戦(第二次台湾海峡危機、八二三砲戦とも)」と呼ばれるもので、以降21年にわたって中国人民解放軍が金門に大小の砲撃を続けました。

 ただし、1970年代になると、中国人民解放軍による定期的な金門への砲撃は炸薬ではなく伝単(プロパガンダを訴えるチラシを撒くための砲弾)が多く、さらに毎週「月水金」と限られ、実際には戦争とは言えぬ状況でした。

 1979年に米中の国交が樹立されると、「金門砲戦」は完全に終焉を迎えました。

 金門を舞台にした、中国大陸と(台湾も統治している)中華民国との戦いは、大きくこの2つなのですが、以降も中華民国軍は戦地政務を1992年まで続けます。

 戦地政務が解除された以降も、「世界で例を見ない戦争文化遺跡」として、金門県には過去の軍事施設などが遺されているというわけです。

【え…!】かつて「10万個の地雷」が敷設されていた「金門」の風景(写真で見る)

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