「台湾有事」が起きたら再び戦火に…? 中国まで最短2km「金門島」で聞いてみた 世界でも類を見ない「戦争遺産」の島【後編】

中国が台湾に軍事侵攻した場合、その最前線となりうるのが中国本土の目と鼻の先に浮かぶ「金門」の島々です。幾度も戦争の舞台となった現地ですが、「台湾有事」がいわれるなか、地元の人々の率直な声を聴くことができました。

「台湾人」も言葉を失う「金門」の事情

 日本人の筆者はこの話を聞いて正直かなり意外でしたが、同行の台湾人で元中華民国軍人の孟憲徳さん、陳見安さんも言葉を失っていました。

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福建様式(閩南様式)の一般家屋に見られる「馬の背」のような丸みを帯びた屋根(2026年、松田義人撮影)

 金門人の意識では、「金門と台湾は別々の島で、たまたま中華民国が双方ともに統治している」ということ。そして過去大きく2回あった金門での熾烈な戦いは、近隣の福建省の人たちとの憎しみ合いで起きたものではなく、「あくまでも中国政府と中華民国政府との争いが、当時の事情でここ金門を舞台に繰り広げられた」というわけです。

 さらに、今日いわれる「台湾有事」は、あくまでも「中国と台湾(本島)」との話であり、「台湾」とは違う金門は蚊帳の外の話だ」と思っているようです。

 また、Xさんの他にも、金門で出会った複数の地元の人に同様の話を振ってみましたが、実はおおむね同様の意見でした。

 金門、台湾、中国……その複雑な歴史、政治背景と合わせて、さらに頭の中が混乱する筆者でしたが、Xさんは全く意に介さない様子。「大丈夫。また金門に遊びにきてね」と穏やかな笑顔で結んでくれました。

【え…!】かつて「10万個の地雷」が敷設されていた「金門」の風景(写真で見る)

Writer:

1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。

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