半世紀添い遂げた「最高の恋人」とお別れ! 名機「ハリアー」が残した功績 なぜ米海兵隊は惚れたのか?
1970年代の導入から半世紀にわたり海兵隊航空部隊の主力であり続けた戦闘機「ハリアー」。なぜ海兵隊はこの戦闘機を必要としたのでしょうか?
強い反発を受けながらも実現したイギリス製戦闘機の導入
そんな海兵隊の前に現れたのが、1960年代にイギリスで開発された革命的な航空機、「ハリアー」です。推力偏向ノズルによって垂直離着陸(VTOL)を可能にしたこのジャンプジェットは、従来の航空機運用の常識を根底から覆しました。
海兵隊は「ハリアー」の存在を知った瞬間、一目ぼれに近い衝撃を受けました。小規模な甲板から発進でき、前線近くの仮設飛行場にも展開可能であり、地上部隊のすぐ背後から航空支援を提供できるこれは、まさに海兵隊が長年夢見てきた航空戦力の理想像そのものだったのです。
しかし当時、外国製戦闘機の採用は極めて異例でした。アメリカには強大な航空産業が存在し、軍用機の調達は国内メーカーが担うのが当然と考えられていました。ゆえに政治的な反発は決して小さくありませんでしたが、海兵隊は強硬に導入を主張し続けました。その熱意は周囲から見れば半ば執念にも映ったでしょう。それでも海兵隊は諦めませんでした。「ハリアー」こそが、自分たちの戦い方を変える唯一無二の存在であると確信していたからです。
そして、その判断は正しかったと言えます。「ハリアー」は強襲揚陸艦という限られたスペースから飛び立ち、海兵遠征部隊の頭上を守り続けました。さらにその真価は陸上でも発揮されます。アフガニスタンの臨時飛行場など、従来の戦闘機では考えられない場所から出撃し、常に海兵隊員とともにあったのです。
海兵隊員が危険地帯へ進めば、「ハリアー」もまた前へ出る。その距離感の近さは他軍種の航空機には見られないものです。海兵隊員が空を見上げれば、そこには必ず味方の「ハリアー」がいる。その安心感こそが、半世紀にわたり築き上げられた信頼関係の本質でした。





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