半世紀添い遂げた「最高の恋人」とお別れ! 名機「ハリアー」が残した功績 なぜ米海兵隊は惚れたのか?
1970年代の導入から半世紀にわたり海兵隊航空部隊の主力であり続けた戦闘機「ハリアー」。なぜ海兵隊はこの戦闘機を必要としたのでしょうか?
海兵隊員と苦楽をともに歩んだ半世紀
1980年代には第2世代のAV-8B「ハリアーII」が登場しました。主翼の大型化、複合材構造の採用によって航続距離や搭載量は飛躍的に向上し、夜間攻撃能力や精密誘導兵器の運用能力も獲得し、もはや単なる近接航空支援機ではなく、多用途戦闘機として第一線で通用する実力を備えるに至ったのです。
海兵隊にとってAV-8Bは、初恋の相手が歳月を経て理想的な伴侶へと成長したような存在でした。苦楽をともにし、数々の戦場を生き抜き、必要な時には必ず隣にいてくれる。これほど海兵隊の価値観と深く結び付いた航空機は、歴史を振り返っても決して多くありません。
しかし、どれほど愛された名機であっても、時間の流れから逃れることはできません。機体の老朽化は避けられず、別れの時は刻々と近づいてきました。
そして後継として登場したのがF-35B「ライトニングII」です。短距離離陸・垂直着陸能力(STOVL)を維持しながら、ステルス性、情報収集能力、ネットワーク戦能力を兼ね備えた第5世代戦闘機は、「ハリアー」の思想を受け継ぎつつ、さらに高次元へと発展させた存在と言えます。
こうしてAV-8B「ハリアーII」は静かに第一線を去りました。海兵隊は、一目ぼれした英国生まれのジャンプジェットを、やがて最高の恋人へと育て上げました。そして今、その恋人との長い物語に幕が下りたのです。
Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)
1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。





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