世界最強の米空軍力の要が「オンボロ空中警戒管制機」ってなんで!? 判断の遅れが招いた致命的な“空白期間”
世界最大の航空戦力を持つアメリカ軍が、その作戦運用の柱というべき空中警戒管制機(AWACS)の深刻な不足に苦しんでいます。その背景には、過去の“迷い”があったのです。
宇宙空間からの監視網構築に夢を見たアメリカ
ところがアメリカ空軍は一時、E-7「ウェッジテイル」導入計画を見直しました。地球低軌道人工衛星や無人機、分散型センサーをネットワークで結び、従来型AWACSを代替できるという構想に傾いたのです。
宇宙空間から常時監視を行う構想は魅力的であり、将来の統合指揮システムとして発展する可能性もあります。しかし現実には、人工衛星だけでは低空を飛ぶ巡航ミサイルや航空機を継続的に追跡することは難しく、結局、空中で直接指揮統制を行うAWACSの役割を完全に置き換えることはできていません。
この判断の揺れが、現在の空白を生み出した最大の要因です。E-7計画は再始動したものの、ボーイング737からの改修はようやく開始された段階であり、量産機が部隊へ十分に配備されるまでにはなお数年を要します。その間にE-3退役をさせれば、アメリカ空軍の早期警戒能力は著しく低下し、世界各地での同時展開は極めて困難になります。
こうして下院軍事委員会は、苦渋の選択としてE-3の退役延期を決断しました。これは新世代システムへの移行が間に合わない現実を認めた結果であり、言い換えれば、E-3は能力が優れているから残されるのではなく「代わりがまだ存在しない」から飛び続けなくてはならないのです。
Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)
1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。





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