街から消えゆく「歩道橋」なぜ最近どんどん撤去される?「昭和の遺産」が役目を終えつつある理由
「あの交差点、前は歩道橋があったよね?」。街角から静かに姿を消しつつある歩道橋。昭和の「交通戦争」時代に歩行者を守るため大量設置された構造物が、なぜいま次々と撤去されているのでしょうか。
老朽化+バリアフリーで撤去進む 一方で生まれ変わる例も
「階段を上って下りるだけ」のシンプルな構造は、健康な大人にはなんでもありませんが、ベビーカーを押す人、車椅子を使う人、足腰の弱った高齢者にとっては、それ自体が大きな「バリア」になります。少子高齢化やバリアフリーの考え方が広がるなか、こうした人たちが安心して横断できるかどうかは、いまや街づくりの大きな評価軸になっています。
近くに横断歩道を確保でき、利用者が少ない場所では、歩道橋を残すよりも地上横断に切り替えたほうが、より多くの人にとって使いやすいと判断されるようになりました。
とはいえ、すべての歩道橋が消えるわけではありません。東京都の事例では、撤去の判断にあたって「近くに横断歩道を設置できるか」「利用者が少ないか」「通学路に指定されていないか」などの条件が確認されています。逆にいえば、通学路として使われていたり、交通量が多く地上横断が難しかったりする場所では、いまも歩道橋が重要な役割を担っています。
さらに、エレベーター付きでバリアフリー化を施した歩道橋や、静岡県吉田町のように津波避難施設を兼ねた歩道橋など、新しい役割を背負って使われる例もあります。「昭和の歩道橋」の単純な復活ではなく、街と時代に合わせた形へと進化しているのです。
クルマ優先の時代に歩行者を守ってきた構造物は、いまバリアフリーや維持管理の視点から見直され、「なくなる」のではなく、「必要な場所に残り、役割を変えていく」と言えるでしょう。そんな道路風景の世代交代が、いま全国で進んでいます。





コメント