バイク降りた直後の「キンッ…キンッ…」の正体は? エンジン切っても鳴り続く“謎の金属音”故障じゃないの?
ツーリングから帰宅し、エンジンを切った愛車。耳を澄ますと、エンジンやマフラー付近から「キンッ」「カチッ」という金属音が聞こえてきます。これ、いったい何の音なのでしょうか。
金属が“縮む”音、人間の耳に届くほどなの?
バイクのエンジンやマフラーは、走行中に非常に高温になります。特に排気管やサイレンサーなどの排気系は、走行条件や車種によって温度が大きく変わるものの、運転中や運転直後に触れると危険なほど熱くなる部分です。一方、エンジンを切った瞬間から、これらの金属は空気に触れながらどんどん冷えていきます。
金属は温度によって長さや体積がわずかに変化する性質を持ちます。熱せられれば伸び、冷やされれば縮みます。たとえばステンレスの線膨張係数を使って単純計算すると、1mのパイプは温度が摂氏300度変化した場合、数mm程度伸び縮みする計算になります。
ただ、マフラーは1本のパイプではなく、複数のパーツが溶接されたり、遮熱板(しゃねつばん)と呼ばれるカバーがネジ止めされたりして組み立てられています。素材の異なる金属どうしは、縮む量も縮む速さもわずかに違うのです。
その結果、冷えていく過程で、金属どうしがわずかに引っ張られたり、ずれたりして、微妙にきしむことがあります。こうした動きが、「キンッ」「カチッ」と聞こえる音の主な原因のひとつと考えられています。
よく似た現象は、家の中でも体験できます。冬の夜、フローリングや家具が「ピシッ」と鳴ったり、お風呂の後の浴槽がコトンと音を立てたりすることがあります。あれと同じように、温度差で素材がわずかに伸び縮みすると、音として聞こえる場合があるのです。
ちなみに、バイクの異音には「ノッキング」と呼ばれる、走行中にカンカンと鳴る別物もあります。こちらはエンジン内部の異常燃焼に関係する現象で、停車後に排気系などが冷えるときの「キンッ」とは原因が異なります。停めたあとに短時間、静かに鳴っている程度であれば、多くの場合は心配しすぎる必要はありません。
ただし、音が急に大きくなったり、長時間続いたり、走行中にも異音がする場合などは、念のため販売店や整備工場で点検を受けると安心です。
実は、あの「キンッ」は、頑張って走ってくれた愛車が、ゆっくり熱を逃がしている音なのだと言えるのかもしれません。





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