ヤマハ「モトロイド」は「生きもの」たるか 開発者に聞く、その目指すところとは
世間はどう見たか、もうひとつの好反応とは
好反応のもうひとつ、これは開発者からは意外だったそうですが、安全性への期待値の高さでした。
「バイクは停止時、かなり重量感があります。今回、『AMCESのような自律機構があれば転ぶ心配がないのでは』という反応が多くありました。特に、ずっとバイクが好きで乗り続けてきた年配の方が『体力の低下で諦めていた』というところに出てきたこの新技術に、期待感が生まれたようです。長年のバイク・ファンから、こうした形でいい反応を得たのは嬉しかったですね」(川島さん)。
これはバイクにまつわる「危ない」というネガティブイメージにも好影響なようで、「こういう機構があればバイクに乗り続けることを家族(特に奥様)に説得しやすい」という声も聞かれたそうです。
「ただ、『モトロイド』=生産車とは思っていないのです。これは、『POC(プルーフ・オブ・コンセプト)』(ある機能に特化して研究し、その実現性を検証するためのもの)なので、この技術が今後どんな風に技術応用されるのか、組み合わせも含めて、何ができるか考えているところです」と川島さん。ヤマハの今後の市販車に、期待したいところです。
「東京モーターショー2017」後、米国ラスベガスで行われた「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショウ)2018」にも出展し、世界中のメディアから取材を受けたという「モトロイド」。アメリカというと、往年のTVドラマ『ナイトライダー』になぞらえた方も多かったのでは、とうかがってみると、「育った場所や世代で、捉え方は違うようですね」と川島さん。
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