『A列車で行こうExp.』を旅する 金沢編:新幹線と北鉄が競演 駅の「門」再現も!
北陸新幹線の開業で人気の観光地、金沢をつくりました。JR西日本、IRいしかわ鉄道、北陸鉄道が集結。そして動き出そうとするLRT計画。観光都市の未来図はどうなるでしょうか。
観光都市・金沢を走る「新」路線
冒頭でも紹介したように、金沢市では野町駅と金沢駅を結ぶ新交通システムを検討しているようです。2016年5月から「金沢市新しい交通システム検討委員会」が3回にわたって開催されました。この委員会は2017年2月に「新しい交通システム導入に関する提言書」を作成し、金沢市長に提出しています。提言書によると、基本ルートは金沢港~金沢駅~香林坊~野町駅です。
また、利用者の上下移動を少なくし、費用や景観の観点から、「地上走行を基本としたシステムが好ましい」としています。BRT(バス高速輸送システム)またはLRT(次世代型路面電車システム)が適当ということですね。問題点としては、望ましいルートにある4車線道路に専用走行路を設置すると、自動車交通に影響が大きいとのこと。提言書では触れていませんが、金沢駅でどのように鉄道と交差するかも検討しなくてはいけません。
LRTにした場合、北陸鉄道石川線と直通するか、乗り換えに留めるか。金沢駅を地上にするか、地下を通すか。ゲームで再現し、新しい金沢市を創造してみましょう。LRTにするなら、やはり路面軌道パーツが欲しいですね。って、これ、何度目でしたっけ(笑)。
『A列車で行こうExp.』で楽しむ金沢の旅はいかがでしたか。金沢はいま、関東からは北陸新幹線の終点、関西・名古屋からは在来線特急の終点です。しかし、北陸新幹線が敦賀へ延伸すると金沢駅は中間駅になります。大阪・名古屋への在来線特急もなくなると思われます。途中下車してもらう都市にするために、交通網の整備が必要ですね。ぜひ、ゲームで新しい金沢をつくりましょう。
さて、『A列車で行こう9』と『A列車で行こうExp.』を乗り継いだこの連載は、今回が最終回です。ぜひ皆さんも、行ったことがある都市、これから行きたい都市を再現してみてください。再現するために、実際に都市を訪れる。そんな旅も楽しいと思います。
【了】
Writer: 杉山淳一(鉄道ライター)
乗り鉄。書き鉄。ゲーム鉄。某出版社でゲーム雑誌の広告営業職を経て独立。PCカタログ制作、PC関連雑誌デスクを経験したのち、ネットメディアなどで鉄道関係のニュース、コラムを執筆。国内の鉄道路線踏破率は93パーセント。著書に『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。日本全国列車旅、達人のとっておき33選』(幻冬舎刊)など。
石川線の野町駅の位置が間違っていませんか?本来、西泉駅があるところに野町駅があるように見えます。細かいことかもしれませんが直してもらえると地元の者として嬉しいです。