米B-52が南シナ海飛行、その大きな意味とは 緊張続く海域に核搭載可能機投入の背景
緊張の続く南シナ海で6月5日、米空軍のB-52爆撃機が訓練飛行を実施しました。B-52は核搭載可能な爆撃機で、これをこの空域で飛ばすというのにはもちろん大きな意味があります。
B-52、南シナ海へ
2018年6月5日(火)、インド洋のイギリス領ディエゴガルシア島にあるアメリカ軍基地から飛び立った2機のB-52爆撃機が、中国が人工島を造成している南シナ海上空を訓練飛行したとアメリカ太平洋空軍が発表を行いました。
B-52は、1955(昭和30)年の就役以来実に60年以上ものあいだ、各種改良を受けながらもアメリカ空軍を支えてきた大ベテラン爆撃機で、通常兵器のみならず核兵器も運用できることから、アメリカの核戦略の一翼を担う存在でもあります。
今回南シナ海を飛行したB-52は西太平洋にあるグアム島に展開していて、報道によれば、このB-52は6月4日(月)に同島のアンダーセン空軍基地を離陸後、インド洋にあるディエゴガルシア島に向かい、そこから6月5日に中国が人工島造成を進める南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島の近くを飛行し、再びディエゴガルシア島に戻ったということです。アメリカ太平洋空軍は、今回のB-52の飛行について「南シナ海の近くで訓練飛行を行った」ということ以外の詳細を明らかにしていないため、南シナ海でどのような活動を行ったかは不明です。
では、今回のB-52による南シナ海飛行には一体どのような意味や背景があったのでしょうか。
筆者(稲葉義泰:軍事ライター)は、ここ最近のアメリカによる対中国強硬政策が関連しているのではないかと推察します。実は最近アメリカは、中国が南シナ海にある島や人工島にミサイルなどの軍事兵器を配備したり、爆撃機を着陸させたりといった行動をとったことを発端として、こうした中国による南シナ海での活動に関して非常に強い反発姿勢を見せています。
たとえば、今回の飛行からさかのぼること3日前の6月2日(土)、シンガポールで行われた安全保障に関するイベントで、アメリカのマティス国防長官が中国による南シナ海での人工島造成や軍事拠点構築を非難し、アメリカはアジア太平洋地域から引き下がらないとする内容の演説を行っていました。
B-52
最終型の「H型」ですら配備から50年以上となり
だいたい30代で機長になるので
祖父→父→息子と3世代B-52のパイロットが
普通に出てる!