高速バスvs鉄道で「バス圧勝」の区間とは 鉄道だと迂回、そこで発揮される強み

隣県どうしでもバスに「地の利」あり

 大阪~徳島間は鉄道と比較してバスのシェアが極端に高い例ですが、高速道路の整備などによって、鉄道からバスへとシェアが移っていった区間は全国的に存在します。特に、中国山地を隔てて瀬戸内海側の山陽地方と日本海側の山陰地方がわかれる中国地方は、それが顕著といえるでしょう。

 岡山県と鳥取県を結ぶJR伯備線(岡山県~鳥取県)のように、中国山地を経由して山陽地方と山陰地方を結ぶ役割を担う鉄道路線は「陰陽連絡線」とも呼ばれます。伯備線では「やくも」(岡山~出雲市)などの特急が走っていますが、国鉄時代にはこのほかにも姫新線(姫路~新見)、芸備線(備中神代~広島)、あるいは木次線(宍道~備後落合)などで「陰陽連絡」を目的とした列車が運行されていました。しかし、高速道路の整備により、1970年代から1980年代ごろにかけ、ほとんどがその機能を高速バスに奪われています。

 たとえば現在、広島市と島根県浜田市のあいだでは、高速バス「いさりび号」が広島電鉄、中国ジェイアールバス、石見交通の3社で共同運行されています。昼行16往復と本数も多く、乗車時間は2時間30分ほどで、運賃は片道3030円(広島駅新幹線口~浜田駅、往復5340円)です。この区間を鉄道で移動しようとすると、山口県へ遠回りしなければならず、新幹線と在来線特急を乗り継いでも最短で4時間前後かかります。

 広島と島根は隣り合う県どうしですが、両県を結ぶ交通機関は高速バスが主流となっており、浜田のほか広島~松江線、広島~出雲線、広島~大田線など複数の路線が存在します。広島県から島根県への移動は、バスのシェアが鉄道(JR)の約6.9倍(2016年度旅客地域流動調査)です。

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広島~浜田間を結ぶ計画だった未成の鉄道「今福線」の橋脚。この路線ができていれば同区間の移動は鉄道のほうが有利だったかもしれない(画像:浜田市)。

 ちなみに、広島と浜田のあいだには、未完に終わった「今福線」と呼ばれる鉄道の計画もありました。一部は戦前に着工されたものの、太平洋戦争の影響で中断、戦後になって別ルートで工事が再開されましたが、1980(昭和55)年、国鉄の慢性的な赤字の影響によってふたたび工事が中断されました。この路線が完成していた場合、広島~浜田間はノンストップの特急ならば55分で結ばれる計画だったそうです。

【了】

※記事制作協力:風来堂

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コメント

7件のコメント

  1. 本四架橋は淡路島ルートに鉄道を併設(島内の陸地を含む)しなかった理由が未だに解らない

  2. この区間は比較対象は辛いところでしね。
    サンライズの松山延長やムーンライト時代や高松、松山道の部分開通時はバスは視野にありませんでしたが、高速道が全通したことにより四国4件全てにおいてバスが優位ですね。
    予讃線も電化されたとはいえ計画路線に含まれる高縄半島の迂回など中々実現しないし、何より単線と言う重荷が更に拍車なんでしょうかね。
    逆に阪神方面から大分ならフェリーも優位でしょうし、私自身、関西から徳島であれば和歌山から南海フェリーも視野に入れてますが、所要時間では鳴門橋経由が優位でしょうね。

  3. 751万/6400ならば1173倍では?
    それとも年間751万人だと1日あたりバス500台だから、75万1千人の間違いか。

    • ですね。倍数かバス客の総数に間違いがあるように見えます。

    • 国交省のサイトで原典見たところバスは75.1万人ですね。
      751「千人」を間違えたのでしょう。

      そもそも年間751万人も旅客流動があったら鉄道敷設しないと対応できませんって…

  4. いいですなぁ

  5. 高速バスの方が強いところでも、運転士不足という”弱み”が。。。
    待遇面を国がらみで改善していかないと、本当にまずいのでは?