アウトレットに高速バス続々 大都市郊外の駅からも直行便、増設相次ぐワケ
「アウトレットへの足」だけじゃない! 今後さらに発展か
アウトレットモールに隣接して、地域のバスターミナルが建設された例もあります。栃木県佐野市にある「佐野新都市バスターミナル」です。「佐野プレミアム・アウトレット」から徒歩3分の位置にあり、東京駅や新宿のほか、埼玉県の新越谷、大宮、福島県の郡山、須賀川、そして前橋、宇都宮などへ向かう高速バスも発着しています。これら都市間を結ぶ路線が、アウトレットに来訪する人の輸送も担っているのです。
特に東京方面へは日中およそ30分おきに東京駅行き、新宿行きのいずれかが発車。バスターミナルはマイカーの駐車場や自転車置き場も備わっており、佐野市交通生活課によると「午前中は佐野から東京へ向かう人が、東京からはアウトレットへ向かう方が多いです」とのこと。この2路線においては、高速バスでは珍しい通勤定期券も設定されているほか、土休日に東京方面から来る一部の便は、「佐野プレミアム・アウトレット」内のバス停にも停車します。
バスターミナルやアウトレットが置かれた「佐野新都市」は、住宅、商業、産業用地からなる再開発エリアのこと。佐野市交通政策課によると、計画のなかでアウトレットモールと、その集客も見込んでバスターミナルが同時期に開設されたそうです。当初のバスターミナルは小規模なものでしたが、佐野市とジェイアールバス関東が共同で拡張に取り組み、アウトレットの開業から4年後の2007(平成19)年に佐野新都市バスターミナルとしてリニューアル。その後も利用者が増え、駐車場の拡張などが行われました。
このように、アウトレットモールをひとつの拠点として、地域全体の発展につなげる動きはほかにもあります。三菱地所・サイモンによると、「御殿場プレミアム・アウトレット」では2020年春をめどに、小田急電鉄によるホテルや日帰り温泉施設を加えた第4期開業計画を進めているとのこと。「高速バスなどによる交通アクセスの拡充を図ることで、『御殿場プレミアム・アウトレット』をハブ施設とする一大広域リゾートエリアを目指します」としています。
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