異次元の「早さ」どう実現? スウェーデン戦闘機「グリペン」のひと味違う設計思想

「コスパ最強」との呼び声の高い、スウェーデンの航空機メーカー、サーブ社の「グリペン」戦闘機。価格の安さはもちろんですが、実は「早さ」にもその根拠があります。「速さ」ではありません。

「早さ」の実現は設計段階から

 機体にセーフティーピンを差し込んだのち、整備員No.1はコックピットおよびエンジンの確認や、帰ってきたパイロットから不具合を聞いたり、機体の自己診断装置を操作したりし、その後は機体外周の損傷などを確認します。

 整備員No.2とNo.4は、外部兵装の装着を行います。通常、この作業が最も時間を必要とするため、後述の整備員No.3やNo.5が、自己の作業を終えたのちサポートに加わります。

 整備員No.3は機関砲弾の再装填を実施し、整備員No.5は、給油と機体各部にある整備用パネルのチェックを行います。

 すべての作業が終了後、セーフティーピンを抜きパイロットが搭乗、エンジンをスタートアップして、滑走路へ向かいます。この間、空対空兵装なら10分、重いミサイルや爆弾など搭載に時間がかかる空対地フル兵装でも20分で済むとされます。

 驚くべきは、本来ならば十分な設備の整った航空基地において、高い技能を持った膨大な人数の専門職が行うべき「作業」を、臨時飛行場のような場所で、しかも普段はほかの仕事をしている予備役の整備員によっても、上述のような異次元の早さで可能にしていることです。「グリペン」の機体は可能な限りシンプルに、かつ必要な機器が最低限となるよう、設計時から配慮されているのです。

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ビゼル臨時飛行場から離陸するJAS39A「グリペン」。短い滑走路でも離着陸可能な、高い短距離離着陸能力を持つ(画像:スウェーデン空軍)。

 このようにターンアラウンドタイムを最小化することによって、「グリペン」は、ほかの戦闘機では難しい1日2回以上の作戦を、継続して行うことを前提としています。ほかの戦闘機が1日に2度も3度も出撃するのは「全力疾走」に近く、整備員たちに休む暇も与えない大変な負担を強いることになるため、よほど大人数を用意しない限り、せいぜい数日続けるのが限度です。もし強行すれば、倒れるか、ミスによる事故発生につながりかねません。

「グリペン」は、ジェット戦闘機のなかでもかなり小型の部類で、搭載量や航続距離といった基本的な性能は、決して高いとはいえません。しかし、危急存亡のときには、1日に2度、3度と出撃することで、100機が200機300機ぶんの働きを可能とし、実際の性能と機数以上の戦力を発揮できます。

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コメント

5件のコメント

  1. F4後継はグリペンE推しだったんだけど、選択肢にすら上がらなかったなー

    いや、F15orF2後継がF35って言うならそりゃそうだよねってなるんだけど。

    F4後継がF35だと、F15後継もF35だからF2以外全部F35にすんの?っていう。

    ハイローミックスどこ行ったん?と。

  2. このまま朽ちさせる事など無く性能を向上させて欲しい所だが

  3. 航空自衛隊は、スクラブルで、今こそ、ハイアンドローのローで、グリペン戦闘機を導入して、スクランブルにあてるべきでは?ステルス性の高い、高額戦闘機をスクランブルで消耗するのは、国力の消耗につながる、ライフサイクルコストは、F2戦闘機の370億円に対して、100億円とも言われている、有事には、二線級業務に充てればよい。

  4.  日本には、F35のような高級戦略戦闘機じゃなく、グリペンやハリアーのような汎用性の高い局地戦闘機が必要なんじゃないかと思います。

     政治的な体裁では敵の侵略を止めることは出来ません。

    • グリペンEもF-35Aより高くなってますし、ハリアーの後継はF-35B。

      仮に安くても保有台数や人員には限りがありますし、

      工具規格やマニュアルの言語、保守体制など総合的に考えると、

      よほどの事情がないかぎり米国製か国産でしょうね。

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