F-35戦闘機に背を向ける西側の国々、それぞれの事情 買わない理由はどこにあるのか

独自路線貫くフランスと手を組むのは…

 フランス空軍と海軍は、戦闘機に戦術核兵器の運用能力を求めています。F-35にもB61核爆弾の搭載計画がありますが、運用開始は2020年代半ばが予定されており、これもフランスがF-35に背を向けた理由のひとつと考えられます。

 フランスは現在、ダッソー「ラファール」、ダッソー「ミラージュ2000」の、2種類の戦闘機を運用していますが、将来的にはドイツと共同開発する新戦闘機と、無人戦闘用航空機で、航空戦力を維持していく方針です。

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フランス空軍と海軍が運用しているダッソー「ラファール」(竹内 修撮影)。
フランス空軍のダッソー「ミラージュ2000」(画像:フランス空軍)。
ドイツ空軍が運用している「トーネードIDS」(画像:アメリカ空軍)

 そのドイツは、フランスと共にEU(ヨーロッパ連合)の盟主として、ヨーロッパの自由経済と民主主義をリードしていますが、やはりF-35の開発計画に参加せず、導入もしていません。ただし同国はフランスとは異なり、F-35の導入を検討したことがあります。

 ドイツは現在、同国とイギリス、イタリア、スペインが共同開発したユーロファイター「タイフーン」と、やはりイギリス、イタリアと共同開発したパナヴィア「トーネードIDS」という2種類の戦闘機を運用しています。その「トーネード」は運用開始から40年以上が経過しており、イギリス空軍とイタリア空軍はその後継機として、F-35の導入を開始しました。

 ドイツは「トーネードIDS」後継機の国際共同開発を模索しましたが実現には至らず、既存の戦闘機の中から後継機を選定することとして、F-35の空軍型F-35AとボーイングのF/A-18E/F「スーパーホーネット」、ユーロファイターの追加導入という、3つの選択肢に絞ります。

 ドイツ空軍の上層部はこれら3つの選択肢の中で、F-35Aを最適な選択と考えていたといわれています。アメリカ国防総省もその希望に応えるべく、2017年6月にフランスのパリで開催された「パリ国際航空ショー」にF-35Aを派遣して、ドイツ空軍関係者の視察の便宜を図ると共に、メーカーのロッキード・マーチンと共同でドイツ空軍に対するF-35の説明会も実施。この時点で多くのメディアは、F-35Aが「トーネード」後継機の最有力候補だと報じていました。

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2019年6月開催の「パリ国際航空ショー」にて、ダッソー・アビエーションが発表したフランス、ドイツ共同開発の新戦闘機コンセプトモデル(竹内 修撮影)。

 しかし「パリ国際航空ショー」の閉幕から1か月も経たない2017年7月13日、ドイツのメルケル首相とフランスのマクロン大統領が、ドイツ空軍の「タイフーン」とフランス空海軍の「ラファール」を後継する新戦闘機の共同開発に合意したことで、状況が一変します。

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コメント

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2件のコメント

  1. どことなく下町文化が広がってる感じ

  2. ウィー