進む空港民営化、航空会社の参入はアリなのか 否定していた国が一転、その経緯と現状

地方空港の民営化が加速するなか、航空会社がその運営権の獲得に動くことについて、当初否定的だった国や地元の考えが一転しています。何が問題で、なぜ風向きが変わってきたのでしょうか。

空港民営化から締め出された航空会社

 空港民営化が始まる以前の空港ターミナルビル運営会社と航空会社、すなわちJAL(日本航空)、ANA(全日空)の関係は、両社がビル会社に出資し取締役を派遣するケースがほとんで、多くはその関係を現在も継続しています。主要空港においてはチェックインカウンターの長さや施設配置などについて、大手2社間の取り合いやスペースの拡充といった問題でビル会社や航空会社間に争いはあったものの、ビル会社の役員ポストが航空会社の人事ローテーションの一環として機能していることもあり、ビル会社と航空会社はおしなべて「平穏な関係」にあったといえます。

 しかし空港運営が民営化されると、運営権者は航空管制以外の国や地方自治体が行っていた諸業務を引き継がねばならず、空港使用料(着陸料や停留料)や家賃、スペースなど多くの面で両者の利害が相反することになるため、空港と航空会社の関係はより緊張感を増します。

 その緊張が最初に高まったのが、仙台空港のコンセッション(施設所有権を公的機関に残したまま、運営権を民間事業者に売却する方式)です。当時、経営破綻からの再建途上にあったJALは、新たな戦略投資を制限する、いわゆる「8.11ペーパー」によって身動きが取れないなか、ANAは三菱地所を筆頭としたグループに入り運営権獲得に動きました。

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2016年に民営化された仙台空港(画像:写真AC)。

 これに対し、国などからなる審査委員会より異論が出されました。「本来航空会社と空港運営会社は利益相反的関係にあり、運営側に航空会社が入ることで空港運営の競争環境確保に支障が出るのではないか」「大手航空会社間の競争は歓迎すべきだが、片方(ANA)だけが空港運営に携わることで競争阻害的な環境が生まれるのでは」との疑念が呈されたのです。最終的に東急電鉄を筆頭とするコンソーシアムが勝利するのですが、これは三菱地所を筆頭とするグループにANAが加わっていることへの否定的な評価が影響したと見られています。

 これを受け次の高松空港においては、もともとJAL、ANAが空港ビル会社の株主であり取締役を派遣していたにもかかわらず、運営主体の香川県が「航空会社のコンソーシアム参画を認めない」という強硬な方針を打ち出しました。この時点で、航空会社が空港民営化に参画することは難しいとの認識が広まったといえるでしょう。

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コメント

2件のコメント

  1. 空港の様な場所は外国籍の企業や外国人に運営させるのはどうかと思うな。

    危機管理の観点からも国内企業がやるべきだろう。

    • 重要なのは国籍よりもノウハウがあるかどうか

      明治期急速に近代化できたのは外国人のノウハウを取り入れて多くの日本人が努力したから

      関空のは外国人を排除すれば解決する問題ではない

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