進む空港民営化、航空会社の参入はアリなのか 否定していた国が一転、その経緯と現状

地方空港の民営化が加速するなか、航空会社がその運営権の獲得に動くことについて、当初否定的だった国や地元の考えが一転しています。何が問題で、なぜ風向きが変わってきたのでしょうか。

国の考えを変えたきっかけは「関空の台風被害」

 関空・伊丹の運営主体であり、オリックスおよびヴァンシ・エアポートを母体とする関西エアポートに関しては、2016年の民営化直後から「運航実績などの情報を開示しない」「商業売上拡大を最優先とした空港会社の事情による施設拡充や改編が行われている」「航空会社とは、利害が対立するものとして対話をしない」といった不満の声が航空関連業界から聞かれました。また、空港オペレーションを熟知した元NKIAC(新関西空港株式会社。関西エアポート以前に関空・伊丹を運営)の人材とノウハウが流出しているともいわれました。

 これらの問題が、2018年9月の台風禍で噴出します。関空の大規模浸水、関空連絡橋の損傷といった大きな被害に際し、空港会社の復旧対策が後手に回り、国が全面介入したことで、「民営化が正しかったのか」「誰のための民営化か」などの疑問が航空関係者から多く聞かれました。

 このような環境のなか、空港の運営権者選定にあたっては、「国などが行っている空港オペレーションを踏襲するにあたり、運航会社側のノウハウを十分理解したうえで空港の危機管理を行うことが重要」「海外の航空会社の誘致や国内路線の再構築を図るうえでも本邦メガキャリア2社を敵に回すことは得策でない」といった点が、審査委員会および国土交通省航空局のあいだで認識されたのでしょう。コンソーシアムからの事業提案において有効性、蓋然性(ある程度確かな見込みがあること)を審査するうえで、JAL、ANAの参画が大きな意味を持つようになったことは明らかだと筆者(武藤康史:航空ビジネスアドバイザー)は考えます。

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福岡空港は都市部からの距離が近い空港のひとつ(画像:写真AC)。

 その最たるものが、北海道7空港民営化に際して打ち出された、経営の難しい「地域航空ネットワークの充実・活性化」というテーマでしょう。北海道空港を筆頭とするコンソーシアムの提案には、JAL、ANAが九州の地域航空会社の経営問題に際し、航空会社の系列を超えて設立したLLP(有限責任事業組合)の手法を活用することが盛り込まれています。すなわち、現在道内に就航しているJALグループのHAC(北海道エアシステム)とANAグループのANAウイングスが事業統合を進めつつ、両社の路線において訪日客を念頭に、国際線へ接続する便のコードシェアをJAL、ANA双方が行う(ANAがHAC便と、JALがANAウイングス便とコードシェア)というものです。ただしこのことは、筆者が複数の本件関係者へ取材してわかったもので、当事者はこれを明確に認めてはいません。

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コメント

2件のコメント

  1. 空港の様な場所は外国籍の企業や外国人に運営させるのはどうかと思うな。

    危機管理の観点からも国内企業がやるべきだろう。

    • 重要なのは国籍よりもノウハウがあるかどうか

      明治期急速に近代化できたのは外国人のノウハウを取り入れて多くの日本人が努力したから

      関空のは外国人を排除すれば解決する問題ではない

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