山形・秋田新幹線「E3系」どんな車両? 2代目ミニ新幹線は「こまち」から「つばさ」へ

観光車両に改造された車両も

 このほか、当初のE3系にはゴミを圧縮する機能が付いたゴミ箱というユニークな設備がありました。これは東京~秋田間の所要時間が4時間程度と長く、客が出すゴミの量も多いと考えられたためです。

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山形新幹線のE3系。いまは塗装が変わっている(2011年11月、恵 知仁撮影)。

 秋田新幹線のE3系は5両編成でしたが、のちに1両増えて6両編成に増強。400系のグリーン車は3列でしたが、E3系は1列増えて4列になりました。普通車は400系と同じ4列。指定席(12~14号車)の座席間隔を自由席より広くしているのも同じです。

 1999(平成11)年には、山形新幹線の山形~新庄間が延伸開業し、山形新幹線用のE3系もデビュー。コンセントや防犯カメラの設置、普通車の自由席と指定席の座席間隔統一などの改良や変更を加えながら追加製造され、400系を置き換えました。

 車体の塗装は秋田新幹線用E3系とは異なり、当初は400系のイメージを踏襲したシルバーとグレーの2色に緑の帯。のちに山形県知事の要望を受け、山形をイメージしたという白と紫の2色に黄から赤へのグラデーションを加えた塗装に変わりました。

 E3系は2010(平成22)年までに261両が製造されましたが、秋田新幹線「こまち」が2014(平成26)年までに新型のE6系電車に置き換わったため、2019年4月1日時点の車両数は半分以下の129両になりました。いまは山形新幹線「つばさ」のほか、東北新幹線「やまびこ」「なすの」の増結用としても使われています。

「こまち」からの引退で余った車両の一部は、観光車両として改造されました。まず2014(平成26)年、山形新幹線の観光列車「とれいゆ」用の改造車がデビュー。車内に足湯を設けているのが大きな特徴です。2016年には、車体の内外を現代美術のアートで装飾した観光車両「現美新幹線 GENBI SHINKANSEN」がデビューし、上越新幹線で運転されています。

【了】

【写真】E3系改造「現美新幹線」の外観・内部

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