赤字鉄道部門 紀州鉄道なぜ存続させるか?ホテルリゾートで知られる企業 社長に聞いた

和歌山県御坊市を走る紀州鉄道は全長2.7kmのローカル私鉄。鉄道事業は赤字で、リゾートビジネスが収益の柱です。社長は「鉄道」が持つネームバリューと約100年の歴史が、「観光」の面で他事業に好影響をもたらしていると話します。

前身は御坊臨港鉄道 紀州鉄道は115期目を迎えた

 とはいえ、不景気、合理化、経営改革という流れのなかで、紀州鉄道は鉄道部門を切り離す選択肢もあったはずです。現に十勝鉄道や有田鉄道のように、鉄道事業を廃止しても鉄道会社を名乗る会社はいくつかあります。ではなぜ、紀州鉄道は鉄道を残しているのでしょうか。紀州鉄道の代表取締役 中川源行(なかがわもとゆき)さんと、鉄道部長 齋藤 智(さいとうとも)さんに話を聞きました。

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無人販売で買ったみかんの甘さを覚えている(2004年11月、杉山淳一撮影)。

杉山淳一(鉄道ライター。この記事の筆者)「2004(平成16)年に紀州鉄道に乗りました。西御坊駅から先の廃線跡を散歩したら、民家の庭先でミカンの無人販売がありまして、そのみかんの香りと甘さ、そしてディーゼルの油煙の臭いを覚えています。今は車両が更新されましたが、路線にはのんびりした雰囲気が残っているようですね。よく残っているなあと、鉄道ファンとしては嬉しいです」

中川社長「大手私鉄さんでも盲腸線(行き止まり路線)を維持していらっしゃいますけれども、盲腸線だけを100%民間で維持する会社は少ないと思います。会社の成り立ちについては皆さんおっしゃるとおりで、社史としては御坊臨港鉄道から始まっています。今年度で115期目ですね」

【写真】紀州鉄道の現終点から先 廃線区間の様子

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