赤字鉄道部門 紀州鉄道なぜ存続させるか?ホテルリゾートで知られる企業 社長に聞いた

和歌山県御坊市を走る紀州鉄道は全長2.7kmのローカル私鉄。鉄道事業は赤字で、リゾートビジネスが収益の柱です。社長は「鉄道」が持つネームバリューと約100年の歴史が、「観光」の面で他事業に好影響をもたらしていると話します。

会社同士が競合関係になりにくい鉄道業界

中川社長「鉄道部門のイベントも前向きに考えています。というのは、会員制リゾートビジネスの柱は宿泊とイベントなんですね。イベントのなかには体験会、鑑賞会、グルメなどいろいろありますけれど、会員の年齢が上がってきて、宿泊しないまでも楽しい催しに参加したいという方が増えています。この15年間で2000回以上開催して好評です」

杉山「いま、鉄道事業者が観光に力を入れています。それはつまり、紀州鉄道が100年前から手がけている観光不動産分野に進出しているということです。最近の観光列車ブームもそうですが、鉄道が『便利な道具』から『楽しい道具』に転機を迎えています」

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紀伊御坊駅の駅窓口で販売している乗車券。厚紙を使った硬券だ(2019年11月、大藤碩哉撮影)。

中川社長「人口減の社会では、移動手段の鉄道は行き詰まってしまいます。それをどう盛り上げるか。将来的な構想としては、ローカルな民鉄の皆さんと観光面で連携して、ひとつの形にまとめたいと思っています。鉄道業界の良いところは、会社同士が競合関係になりにくいんです。紀州鉄道のお客様が増えたら、たとえば銚子電鉄さんのお客様が減るということにはならないでしょう。家電業界などはライバル関係で、顧客を取り合う関係ですけどね」

杉山「鉄道業界は協力しやすい業界といえますね。お互いのノウハウを交換できますし」

【写真】紀州鉄道の現終点から先 廃線区間の様子

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