赤字鉄道部門 紀州鉄道なぜ存続させるか?ホテルリゾートで知られる企業 社長に聞いた

和歌山県御坊市を走る紀州鉄道は全長2.7kmのローカル私鉄。鉄道事業は赤字で、リゾートビジネスが収益の柱です。社長は「鉄道」が持つネームバリューと約100年の歴史が、「観光」の面で他事業に好影響をもたらしていると話します。

紀州鉄道が存続する理由 それは社名と鉄道に対する愛着と信用

杉山「ズバリ聞きたいことがふたつあります。ひとつはなぜ、現在も赤字の鉄道事業を維持しているのか。もうひとつは、なぜ紀州鉄道という会社名を維持しているのか、です。紀州鉄道のビジネスはずっとリゾートビジネスが主体で、当時はリゾート業界が急成長していました。ここではたとえばCI(コーポレートアイデンティティ)を導入して『○○リゾート』というような社名にする選択肢もあったと思います」

中川社長「不動産会社がリゾートビジネスを成功させるために、紀州鉄道を買収して社名を残したという話は事実です。当社のリゾートビジネスは会員制事業から始まっていまして、紀州といえば徳川御三家、政界の中心、永田町の隣に紀尾井町、ここにも紀の字がある。だから、鉄道だけではなく、紀州の『紀』の字にも意味があるんですね

 なぜ鉄道を維持するか、紀州鉄道の名を残しているかというと、社名と鉄道に対する愛着と信用です。紀州鉄道は沿線の人々に愛され、応援されています。同時にサスティナビリティ(持続可能性)もあります。永続的に事業を続けていくことは私自身の目標です。紀州鉄道というブランド名は、当社の事業すべてにおいて浸透したブランドになっています。

 少子高齢化といわれるなかで、鉄道事業に伸び代はありません。和歌山県は人口減少率が高く、なかでも御坊市は過疎化率が高い。しかし、100年近く継続している鉄道事業と会社名を変えることは、むしろ他の事業に影響が出るだろうと」

【写真】紀州鉄道の現終点から先 廃線区間の様子

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