赤字鉄道部門 紀州鉄道なぜ存続させるか?ホテルリゾートで知られる企業 社長に聞いた

鉄道の赤字が数千万円なら、広告費だと思えば…

杉山「会社名を変えるとイメージ一新、それは事業継続性に区切りを付けたように見えてしまうと。そして地域への影響ですね。沿線から元気を奪ってしまう。それは紀州鉄道のイメージダウンになる」

中川社長「いまのところ鉄道部門は数千万円の赤字で済んでいます。この程度でしたら、看板代、広告費用といえるでしょう。企業経営者として、やめたらいくらかかるんだ、という計算もありますよ。廃線撤去の費用とか、どのくらいの損失が出るんだとか」

杉山「会社全体の事業規模からすると、廃線よりキッチリ運営したほうがメリットですね」

中川社長「最近は多くの鉄道ファンがいらっしゃる。その熱意も感じます」

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紀州鉄道が創業50周年を記念して製作した「開運釣鐘乗車券」(2019年11月、大藤碩哉撮影)。

杉山「鉄道イベントも盛況のようですし、鉄道事業から紀州鉄道を知った人が、将来はリゾートビジネス事業の顧客になってくれるかもしれませんしね。鉄道が愛されれば、会社も愛される、という感じでしょうか。

 ところで10年くらい前まで、紀州鉄道の公式サイトでは鉄道部門が目立たなかったような気がします。いまの公式サイトはトップページの一番上に鉄道事業のバナーがあります。鉄道趣味の盛り上がりもあったかと思いますが、鉄道を前に出す理由はなんでしょうか」

中川社長「私が社長になってからですね。先ほどの事業継続性に関連しますけれど『鉄道をやっている会社』『100年近く続いている』という情報を前に出したほうが、ホテル事業にも良い影響があると思いました。一時期は創業事業というだけで、最低限の修理費用しかかけなかった。いまはできる限りのことをしたいと考えています」

杉山「鉄道の持つポテンシャルですね」

中川社長「鉄道事業を営む会社は少ないですから、それだけで貴重です。古い友人と会うと『鉄道会社の社長の名刺なんて初めてもらった』なんて言われます」

【写真】紀州鉄道の現終点から先 廃線区間の様子

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