東海道新幹線「A席vsE席」車窓対決 軍配はどっちに? 富士山・海だけじゃない見どころ

名古屋~岐阜羽島~米原間 ユニークな車窓が左右に点在

 E席側の車窓風景が充実しています。名古屋からは、ビルのあいだにわずかに名古屋城と愛知県庁が見え、貯蔵タンクが生ビールの色に塗られたキリンビール名古屋工場、全長345mの巨大ソーラーパネルであるパナソニックソーラーアーク、大理石の産地として削られた金生山、関ケ原を経て滋賀県の最高峰・伊吹山と続きます。

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関ケ原の先でE席側に見える伊吹山。この辺りは56年前の東海道新幹線開業時から風景がほとんど変わっていない(2016年11月、栗原 景撮影)。

 A席側は、この区間やや地味な車窓風景が続きますが、最大の見どころが、米原駅手前の山中に見える、岩に描かれたトトロです。これは2000年代初頭ごろ、絵の得意な地域住民が、裏山の岩を見て映画『となりのトトロ』のトトロに似ていると直感。子どもたちとともにペイントしたものです。2000年代半ばから、東海道新幹線の乗務員のあいだで話題となり、メディアにもときどき取り上げられるようになりました。いまも車掌やパーサーのあいだで先輩から後輩へ語り継がれており、業務の合間や非番の移動時に、ふと森に隠れたトトロを探す人が多いそうです。

判定:E席側が優勢

 このように、東海道新幹線にはA席側・E席側のどちらにも個性あふれる車窓風景がたくさんあります。車内でゆっくり休んだり、スマホを見たりするのも楽しいですが、たまには車窓風景を追ってみてはいかがでしょうか。

【了】

※一部修正しました(2月17日11時00分)。

【写真】新幹線から見えた「トトロ」

Writer: 栗原 景(フォトライター)

1971年、東京生まれ。旅と鉄道、韓国を主なテーマとするフォトライター。小学生の頃から各地の鉄道を一人で乗り歩き、国鉄時代を直接知る最後の世代。出版社勤務を経て2001年からフリー。多くの雑誌や書籍、ウェブに記事と写真を寄稿している。主な著書に『東海道新幹線の車窓は、こんなに面白い!』(東洋経済新報社)、『テツ語辞典』(誠文堂新光社/共著)など。

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コメント

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1件のコメント

  1. しょっぱなから海山逆だし、、、
    アップ前にチェックしないんですかねぇ。