幽霊列車!? 終電後に閉まった踏切 でも何も通らず そのワケは 直後に照明も消える

深夜の東武野田線。最終列車も通過した後の午前1時、飲んで帰宅途中に突然、踏切が鳴動し閉まりました。工事用車両でも通過するのかと待ちましたが、何も通過しないまま再び開きました。お酒のせいで見た幻でしょうか。

安全装置が作動した踏切の動作 この日、何があったのか

 いかにも怪談にありそうなシチュエーションです。幽霊列車でも通過したのでしょうか。さすがに、そんなことはありえません。踏切が1日の仕事を終えるときの動作なのでしょうか。あの日の不思議なできごとは何だったのか、東武鉄道広報部に話を聞いてみました。

 すると、その日は大宮公園~大和田駅間の橋梁架け替え工事の関係で、終電後に「高配停電(高圧配電停電)」と呼ばれる、停電措置を取っていたことが分かりました。

 踏切は給電が途絶えると、自動的に1分間、遮断棒を降ろして鳴動する安全装置が付いており、突然の停電時だけでなく、工事などの計画的な停電の際にもその機能が作動するそうです。1時ちょうどに鳴り出した踏切の謎とは、工事のために深夜1時に送電が停止したということだったのです。

 酔っぱらいの見た幻でも、幽霊列車でもなく一安心。この忙しい時期に、わざわざ調べて下さった東武鉄道さん、ありがとうございました。

【了】

【写真】日本唯一「地下鉄専用にある」踏切

Writer:

1982年、埼玉県生まれ。東京地下鉄(東京メトロ)で広報、マーケティング・リサーチ業務などを担当し、2017年に退職。鉄道ジャーナリストとして執筆活動とメディア対応を行う傍ら、都市交通史研究家として首都圏を中心とした鉄道史を研究する。著書『戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団』(2021年 青弓社)で第47回交通図書賞歴史部門受賞。Twitter:@semakixxx

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コメント

4件のコメント

  1. 面白かったです

    どういう理由でそういう作りになっているのかまで知りたかった

  2. この話を聞いて、電車は「停電→自動で非常ブレーキ」を思い出した。

    列車が踏切に接近しているときに停電しても、踏切が1分程度鳴動すれば、それまでに列車が停止できるから‥‥かな?

    と、勝手に推測してみる。

    ん?じゃ、気動車だったらどーなんだろ?

    軌道回路的な何かかしら‥‥うーん。

    • 停電したら自動で止めるのは新幹線とかATC採用路線(信号死んだら)?くらいですね。

      それ以外は手動で止めるのでは?(分かりやすい所だとRAILWAYS2作目に停電後の停止シーンあり)

  3. 列車運行中に停電が発生した場合、在来線はノッチオフにして惰行運転

    (指令から抑止の指示がない限り)。

    一時的な停電(空転による過電流)であれば、すぐ再送電されそのまま通常運行。

    (ただし、過電流が発生したかどうか、当該区間の全列車に確認を行う)

    再送電されて再停電になった場合は、送電トラブルや車両故障が考えられるので

    当該区間の全列車を止めてパンタグラフ降下、

    送電再開後、一列車ずつパンタグラフ上昇させるなど運転再開は時間がかかる。

    (この送電開始直後にまた停電すれば送電トラブル、パンタグラフを上げたときに

    停電すればその列車が車両故障)

    あと、鉄道会社によるかもしれないが、架線電源と信号・踏切用の電源は別系統のはず。