「E電」って何? 消えては生まれる鉄道の愛称 アーバンパークライン 東京さくらトラム

かつて東京近郊のJR路線を愛称として「E電」と呼んだ時代がありました。しかしこの呼称は浸透せず、いつの間にか使われなくなり……。作ったけども浸透しなかった愛称、鉄道関連で似たような例はほかにもあります。

JR職員でさえも使わなくなった「E電」

 そういえばかつて耳にしたけれど、最近は聞かなくなった――鉄道関連では、事業者が利用者に親しんでもらえるよう命名したものの、浸透しなかった愛称は多々あります。

 例えば「E電」。分割民営化し発足したばかりのJR東日本が1987(昭和62)年5月、それまで「国電(こくでん)」と呼ばれていた東京近郊の電車に対する新たな呼称として一般公募の後に発表しました。「E」には「East」のほか、「Electric」「Enjoy」など複数の意味が込められました。

 中央線などの電車には、先頭に「こんにちはE電」などと書かれたヘッドマークが掲出されたほか、「E電」を宣伝するポスターも駅構内などに掲示されました。

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JRが発足したばかりのころ、東京圏でも多く見られた103系電車(草町義和撮影)。

 しかし一般にはあまり普及せず、JR発足から5年あまりたった1993(平成5)年ごろには、駅の案内板などでも使われなくなっていました。

 実際、利用客だけでなく当時のJR職員も、具体的な路線名を口にすることが多く、「国電」に代わる複数路線全体を指す愛称である「E電」は、あまり馴染まなかったようです。

 似た例として、愛称などがいったんは決まったものの、結局は日の目を見ることなく消えてしまったものもあります。「東京環状線」と「ゆめもぐら」、覚えている人もいるかもしれません。

【写真】長野新幹線ではダメだった? 「長野『行』新幹線」

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コメント

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3件のコメント

  1. 民間なのでJR「社員」ですよ。「職員」では公務員になってしまいます。

    あと、E電は案内では使われなくなりましたが、部内的には残っており、
    列車ダイヤを定める際に、普通の列車や特急などに使われる15秒単位のM電と
    山手線等の大都市通勤電車に使われる10秒単位のE電に分かれています。

    両者では列車時刻のルールや表記などが異なります。
    E電列車は、いわゆる「標準時刻」ダイヤで無採時駅では若干の許容範囲があります。
    採時駅やM電列車の場合、いわゆる早発は運転事故扱いです。

  2. 大辞林によれば職員とは「学校・官庁・会社などで職務を担当する人」なので誤りではないと思います。

  3. JR西日本の学研都市線(木津~京橋)はJR東海の人じゃない限り、正式名称の「片町線」よりも定着しましたよね。まぁ正式名称の片町駅が消滅してる時点でそりゃ、まぁ……ですが。嵯峨野線(京都~園部)もある意味定着しつつあるのかな。
    なおJR京都線(京都~大阪)、神戸線(大阪からえーと神戸?姫路?)、琵琶湖線(京都~米原……って長浜まだだったの?)、宝塚線(大阪~宝塚……こっちも篠山口までだったの?)はうーん……。