五輪輸送で終電延長…とんでもない 新型コロナに翻弄された2020年の鉄道

新型コロナウイルス翻弄された2020年は、鉄道業界にも暗い影を落としました。本来ならば東京五輪に間に合うよう、各社は駅や車両の改修など大掛かりな投資を進めてきましたが、利用者激減の中、決算で軒並み赤字を計上しました。

一気に到来した「未来」 少子高齢化で鉄道利用減は想定していたが…

 そのほかの私鉄や地下鉄、JRもまた、大会期間中は深夜まで及ぶ競技の観客輸送のために、列車の運行を深夜2時台まで延長する予定でしたが、これも取りやめとなったばかりか、深夜時間帯の利用減少を受けて、2021年3月のダイヤ改正で終電繰り上げが発表されるという皮肉な事態となりました。このほかにも、各事業者は設備投資の先送りや縮小を決定するなど、投資計画の見直しに着手しています。

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2020年お盆期間の、JR西日本の発車日別予約状況。実線が下り、破線が上り(画像:JR西日本)。

 その一方で東京では、オリンピック・パラリンピック開催を見据えて進められていた設備改良は続々と形になりました。東京メトロは2019年12月27日夜から銀座線渋谷駅のホーム移設工事に着手し、2020年1月3日の始発から新駅舎での営業を開始しました。またJR東日本も6月1日始発から、渋谷駅の埼京線・湘南新宿ラインホームを約350m北に移設し駅の乗換を改善しました。新駅関連では3月14日、JR山手線・京浜東北線に高輪ゲートウェイ駅が、6月6日には東京メトロ日比谷線に虎ノ門ヒルズ駅がそれぞれ開業しています。

 新型コロナが終息する気配は一向に見えず、オリンピック・パラリンピックが来年開催されるかは極めて不透明な状況です。鉄道事業者としては、少子高齢化の進展により将来的な利用者の大幅な減少は覚悟していたものの、訪日外国人需要などでしのぎながら、徐々に鉄道事業の省力化やスリム化を進めていく算段でした。ところが想定していた未来が一気に到来した形となり、途方に暮れているというのが実情です。

 戦争により鉄道が荒廃した時代においても、輸送需要が消えることはありませんでした。2020年は日本の鉄道史において、間違いなく「最悪の1年」だったと言えるでしょう。

【了】

※誤字を修正しました(12月23日14時50分)。

【そういえば…】新型コロナの影になった鉄道関連の出来事

Writer:

1982年、埼玉県生まれ。東京地下鉄(東京メトロ)で広報、マーケティング・リサーチ業務などを担当し、2017年に退職。鉄道ジャーナリストとして執筆活動とメディア対応を行う傍ら、都市交通史研究家として首都圏を中心とした鉄道史を研究する。著書『戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団』(2021年 青弓社)で第47回交通図書賞歴史部門受賞。Twitter:@semakixxx

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コメント

2件のコメント

  1. 他のニュースから数字を切り貼りして、非常事態モードを作る感じが乗り物ニュースらしくてていいと思う。

    書いてて楽しかったんだろうなぁ

  2. GoTo終了以後が思いやられる。

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