「超音速プロペラ機」確かに速いが悪夢にしかならなかったワケ XF-84Hターボプロップ実験機

第2次世界大戦の終結直後はジェット機の黎明期。さまざまな実験機が開発され、テストに供されましたが、そのなかには新機軸を搭載したがゆえに、発生する騒音や衝撃波がひど過ぎてお蔵入りになったターボプロップ実験機がありました。

愛称「サンダースクリーチ」=「雷の金切り声」

 そこで、高速性と長い航続距離を両立させた戦闘機を研究する一環として、F-84F「サンダーストリーク」戦闘機の機首部分に、アリソン社製XT40-A-1ターボプロップ・エンジンを搭載し、それに「超音速プロペラ」を装着した実験機が開発されます。同機は、垂直尾翼上端に水平尾翼を移動させてT字型尾翼とする改造も施され、XF-84Hの型式番号が付与されました。

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国立アメリカ空軍博物館で保存・展示されるXF-84「サンダースクリーチ」の51-17059号機(画像:アメリカ空軍)。

 超音速プロペラは文字通り、音速で回転するプロペラを装備し、高速飛行を可能にする新技術でした。当初は、空母においてカタパルト発艦を必要としない、高速艦上機としてアメリカ海軍が目を付けたものの、大型ジェット機の射出もできる強力なカタパルトが誕生したため、海軍は手を引き、アメリカ空軍が計画を引き継ぎました。

 これを装着したXF-84H実験機は、非公式には「サンダースクリーチ」と呼ばれました。F-84シリーズの「サンダージェット」や「サンダーストリーク」といった愛称と同じく、前半のサンダー(雷の意)に、キーキー叫び声や金切り声といった意味の「スクリーチ」を合わせたものです。

 このようなあだ名で呼ばれるようになった原因こそ、他ならぬ新開発の超音速プロペラです。高速回転にともなってプロペラから超音速の気流が生じ、それが凄まじいソニックブーム(衝撃波)を生じさせたのでした。

【写真】プロペラないと全然違う XF-84H「サンダースクリーチ」の原型

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