主翼曲げれば万事解決!「逆ガルウィング」戦闘機F4U「コルセア」なぜ傑作機になったか

アメリカの艦上戦闘機として最多の生産数を誇るのがF4U「コルセア」です。本機は第2次大戦勃発前に開発され、運用終了は大戦終結から34年も経った1979年のこと。しかし、誕生当初は艦上機なのに肝心の空母で運用できない“駄作機”でした。

「逆ガル」翼の採用でプロペラと主脚の問題を一挙に解決

 XF4U-1は、当時の単発戦闘機としては類を見ない大馬力のエンジンを搭載したため、それに見合った大直径プロペラを備える必要がありました。しかし、尾輪式の低翼機体の場合、大直径プロペラの先端が地面と接触しないようにするためには、主脚柱を長くせざるを得ません。

 ところがあまり長くすると、今度は主脚の強度が危うくなったり(長いと折れやすい)、主翼内に収納し難くなったり(容積確保の点で難しい)するというデメリットもありました。

Large 20210530 01
F4U「コルセア」戦闘機の真正面からの写真。主翼がゆるやかな「W」型形状をしているが、これがガルウィングを逆さにした形なので、「逆ガル」と呼ばれる所以(画像:アメリカ海軍)。

 そこで、チャンスヴォート社でV-166B(XF4U-1)の設計主務者を務めていたレックス・ブレン・ベイゼルは、主脚が収納される主翼を胴体との付け根の部分で下に向けて湾曲させて問題の解決を図りました。これは、クルマのいわゆるガルウィングのドアを左右開いた状態を逆さにしたような形のため「逆ガル」翼と呼ばれます。ちなみにガルウィングとは「カモメの翼」の意味で、翼を上方に羽ばたいた様子に見立てたものです。

 こうすると、機首に大直径のプロペラがあっても、主翼の下面が胴体下面よりも下になるので、主脚柱をそのぶん短くでき、その結果、強度面でも収納容積の面でも有利になります。

 おまけに、この主脚にはダイブブレーキパネルが装着されており、急降下時や空戦時に、エアブレーキとして使用することも考慮されていました。ただ、後の実戦ではパイロットたちが、戦闘中にスピードが極端に落ちるのを嫌ったことから、あまり使用しなかったともいいます。

【写真】生産数たった10機!「スーパーコルセア」

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. 逆ガル翼に関しては各国で試作されF4U以外全て失敗作となっています。(零戦の堀越二郎氏スピットファイアのミッチェル氏も失敗しています。)F4Uが最終的に成功作となったのは、右翼の折れ曲がり部分に乱流発生用の突起物を追加して失速を穏やかにしたからです。逆ガル翼は生産性の面でも不利でデメリットの方が多かったと言えるでしょう。

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス