E4系「Max」最大の特徴? 激セマ6列席誕生の背景 マンモス車両の中身も革新的だった!

列車本数も両数も増やせない! それならば…

 上越新幹線の群馬県内や東北新幹線の栃木県内あたりからは、都心への新幹線通勤の需要があります。しかし東北・上越・北陸新幹線が線路を共有する東京~大宮間では、終点での折り返しや車内整備の時間なども考慮すると設定できる運転本数が限界に達しており、これ以上の増発はできないという状況でした。

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通路を挟んで3列ずつ並んだ2階自由席。窓側と通路側の座席幅が430mm、中央が450mm(2020年10月、乗りものニュース編集部撮影)。

 増発できないなら1列車あたりの定員を増やすほかない――そのような考えで生まれたのが2階建てのE1系・E4系「Max」です。特にE4系の6列席は1人でも多くの乗客が着席通勤できるよう考えられた座席なので、多少の窮屈さはやむを得ないと割り切っています。

 E4系の座席数は16両で1634席。これは同じく上越新幹線などを走り、そして同じシートピッチのE2系と比べるとおよそ20両編成分の座席数です。すべての駅を4両分延長する費用と時間を考えると、E4系がいかに効率よく通勤輸送をこなすことを念頭に設計されたかが分かります。立ちっぱなしで東京まで乗ることに比べれば、リクライニングしなかろうがひじ掛けがなかろうが、座れること自体に価値があったというわけです。

 またE4系の輸送力を、通勤輸送だけでなくハイシーズンの行楽輸送にも生かそうとしました。ユニークだったのが2001(平成13)年から2003(平成15)年まで運転された、軽井沢発東京行きの「Maxあさま」です。

【まるで大人と子ども!】ミニ新幹線E3系(旧塗装)×デカいE4系「Max」

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コメント

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2件のコメント

  1. 快適さよりも収容人数の多さ。普通なら不便だろうけどそれでも利用される(せざるをえない)のが関東の常識。それも今は少子高齢化、都心回帰で遠方からの通勤客も減り、収容人数よりも快適さにシフトしてきたという、時代の流れを感じる。

  2. 最近の通勤車には座った人の快適さを追求するあまり「座れなかった人」を徒に増やしてしまうヘンな設計が増えているので、このようなエピソードは貴重ですね。