「都心から郊外までノンストップ」通過しまくり快速・急行たち 32駅通過も!?

特急料金なしで乗れる急行や快速急行、特急などで、都心から郊外へノンストップで走り抜ける列車が、関西や関東でいくつか見られます。その中には、ダイヤ改正で消えゆくものもあります。

一気に郊外へワープ

 停車駅を最小限に抑え、都心から郊外へノンストップで結ぶ最優等列車は、多くが特急料金やライナー料金などが必要な有料列車です。しかし、運賃だけで乗れる一般列車でも、多くの駅を一気に通過して郊外まで停車しない、快速急行や無料の特急などが走っている路線があります。

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「京阪間ノンストップ」の快速急行「洛楽」(画像:京阪電鉄)。

●小田急小田原線「快速急行」

 小田急で無料の最優等列車である快速急行は、下北沢を出ると世田谷代田・梅ヶ丘・豪徳寺・経堂・千歳船橋・祖師ヶ谷大蔵・成城学園前・喜多見・狛江・和泉多摩川と、都内の全ての駅を通過。そのまま多摩川を渡って神奈川県に入り、登戸に停車します。

 2018年のダイヤ改正以前は登戸も通過し、さらに向ヶ丘遊園・生田・読売ランド前・百合ヶ丘も通過。下北沢~新百合ヶ丘間16.6km(途中15駅)を無停車で駆け抜けていました。
 
●京阪本線「特急」「快速特急 洛楽」

「快速特急 洛楽」は毎日4~10本が運行され、大阪・京都の都心部をノンストップで結んでいる料金不要の列車です。かつての京阪特急の停車駅を復活する形で、2011(平成23)年に登場。当初は観光シーズンのみの運転でしたが、2016年から土休日、2017年からは毎日運行となっています。

 逆に特急は、徐々に停車駅を増やし、地域輸送の最速達列車として、ベッドタウンの移動需要を支えています。それでも京橋~枚方市間はノンストップで、細かく設置された駅をどんどん通過していきます。

 両種別とも大阪側の玄関口である京橋を発車すると、野江・関目・森小路・千林・滝井・土居・守口市・西三荘・門真市・古川橋・大和田・萱島・寝屋川市・香里園・光善寺・枚方公園を通過。特急は次の枚方市に停車しますが、「洛楽」はそのまま京都市内まで停まらず、さらに御殿山・牧野・樟葉・橋本・石清水八幡宮・淀・中書島・伏見桃山・丹波橋・墨染・藤森・龍谷大前深草・伏見稲荷・鳥羽街道・東福寺を通過し、七条に到着。その通過距離はなんと43.0km、通過駅数は32駅にのぼります。

 かつて京阪特急はライバルである阪急・JRとのサービス競争のため、無料で乗れる京阪間ノンストップ特急を前面に打ち出していました。しかし130km/hで走る新快速を擁するJRが優位に立つと、京阪は地域輸送の強化に軸足を移し始め、特急も中書島・丹波橋に続けて枚方市・樟葉と、終日停車駅を順次増やしていったのです。

【路線図】全然停車しない快速急行

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コメント

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1件のコメント

  1. 最近は換気の問題もさらに重要にはなってきましたが車両側でうまく対処しているのでしょう。固定ではない窓を細く開ける、という消極策も目にしますが…