【空から撮った鉄道】一面の銀世界となった都心部を狙う

東京はさほど雪が積もりませんが、記憶がある中ではこの10年で二度ほど、一面の銀世界となった朝を迎えました。今回は2018年に白銀の都心部を空撮した記録です。

この記事の目次

・2018年1月は積もりに積もって
・ダメ元で飛行場へ
・渋谷では北行のEH500形けん引貨物列車に遭遇
・尾久→田町→大崎へと南下
・再び渋谷上空へ

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2018年1月は積もりに積もって

 冬の東京都心部は、雪がチラついたり多少積ったりしますが、大抵はすぐに溶けてしまいます。ごくたまに積ったまま溶けずに残って朝を迎えると一面の銀世界となって、滅多に見せない姿を現します。雪国の都市では見慣れた銀世界のビル街の日常も、ここ東京では珍しいです。

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一面銀世界となった京王線下高井戸~明大前間を行く9000系。冬の午後の陽を浴びて新宿方面へと向かう(2018年1月23日、吉永陽一撮影)。

 2014(平成8)年は一度積もった雪が多く気温が上がらなかったため、約一週間も雪が溶けないまま、さらに翌週にも積雪があって雪国模様となりました。その4年後の2018年1月23日はそこまで酷くはなかったものの、前日から断続的に降り続いた雪が積もりに積もって、翌朝の早朝は都心部でも数十センチの積雪となりました。東京の雪は水分をよく含んでいるため、重い「べちゃ雪」となります。

ダメ元で飛行場へ

 私は2014年も空撮しているのですが、2018年のときも記録しました。前回はヘリコプターにしましたが、今回はセスナ機です。このときは元々セスナ機で行う空撮業務が入っており、雪でダメ元だけど飛行場へ行ってみるかと、カチンコチンに凍った早朝の道路を慎重な足取りで運転しました。こちらはスタッドレスを履いていても油断ならず、周囲の車は滑り、信号待ちをする車列はノーマルタイヤが目立ち、飛行場までの足取りは危険な香りが十分漂っていました。

 いざ調布飛行場へ着くと、除雪は進んでいるものの、駐機場から滑走路への除雪が終わるのには時間がかかります。本来の業務は飛ばずにあえなく終了となりましたが、除雪が済んだら都心部の雪景色を空撮できそうなので、そのまま待機をします。

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Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

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