丸ノ内線02系「支線用」80番台はどこが違う? 支線6両化で順次見納め
本線の02系と支線の80番台の違いとは
方南町支線で使われてきた3両編成の02系は、そのなかでも最後に登場した80番台です。1996(平成8)年に製造され、本線系統の02系とは仕様が異なっています。
外観では車体の配色が違い、窓下の赤と白のラインのほか、黒が加えられています。また、80番台は窓の上の赤いラインがありません。本線系統の02系は、赤坂見附駅で銀座線の車両と並んだ際、窓の上のラインで見分けが付くように配慮されていたものの、80番台は同駅まで走行する機会はなく、このラインが省かれているのです。このほか行先表示は「中野坂上⇔方南町」の固定表示となっています。
内装にも違いがあり、80番台の座席端部はパイプで仕切る形として構造を簡素化しています。ドアの上に付く表示器はLED式のみで、当初は自動放送装置も省略していましたが、2004(平成16)年にワンマン運転を開始した際、追加で設置されています。
また、本線系統の02系は、初期に製造されたものがリニューアルされていますが、80番台は比較的新しく、リニューアル車両はありません。
80番台は6編成がつくられましたが、2019年7月、方南町駅が6両編成の列車に対応し、本線から6両編成の列車が直通できるようになったことで、3両編成の運用が減少。2021年には80番台の2編成が廃車されました。
今度のダイヤ改正では、丸ノ内線全体の運行本数が少なくなります。この結果ダイヤに余裕が生まれ、支線を含めすべての列車を6両編成だけで対応できるようになると見られます。
新型2000系が登場した際は、02系6両編成53本をすべて置き換える計画でした。この時点では80番台の処遇に触れられていなかったのですが、02系で最も新しい80番台が先に営業運転を終えるという、意外な結果となりそうです。
【了】
Writer: 柴田東吾(鉄道趣味ライター)
1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。
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