フリーゲージトレインまだやるの? JRも拒否した30年払拭できぬデメリット 計画は存在

重量、最高速度、台車欠損… 相次ぐ問題

 2011(平成23)年、JR予讃線で試験走行を開始します。JR四国で勤務していた四国鉄道文化館の加藤館長によると、「高速走行に耐えられるだけの、しっかりとした線路を準備した」とのことで、急曲線目標も達成し、耐久試験は順調に行くかに見えました。

 しかし二次試験車は「車両が重く、線路を強化してもなお、負荷がかかり過ぎる」など、問題を抱えていました。先頭車両の自重は45t。同線の在来線特急電車8000系は1両平均36.6t、秋田新幹線のE6系電車は1両平均43.8tですから、かなりの重量級といえます。

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フリーゲージトレインの二次試験車両は、四国鉄道文化館に保存されている(安藤昌季撮影)。

 一次試験車よりも台車を軽量化したものの、それでも在来線の曲線区間で80km/hしか出せないなど、性能不足は明らかでした。最高速度270km/hを達成し、さらに台車換装も行ったのですが、車軸のぶれが発生する問題もあり、レール側をロングレールにするなどの対策も進めました。

 その結果、在来線でも85~130km/hで曲線走行できるようになり、フリーゲージトレインの技術的な目途は立ったと思われました。

 2014(平成26)年、営業運転を見据えた三次試験車両が登場します。この車両では、1両辺り2tの軽量化が図られ、通常の新幹線並みの重量となりました。しかし当初の試験結果は良好でしたが、一部の車軸に問題が発生。改良され車軸の摩耗は1/100まで軽減されたものの、2016(平成28)年になっても問題が完全には解消されなかったため、国土交通省は「西九州新幹線にフリーゲージトレインは間に合わない」との見解を示しました。

【見たことある?】日本で試作された「フリーゲージトレイン」

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コメント

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5件のコメント

  1. 中国に出来て日本は出来ないんですね

  2. 海外で実用性が確率してるのは「モータ無し」ののみで、超高速走行の無いのだったら3線軌道化の方が有力。
    ただそうなったのも台車回りのダイエットが極限近くに達してたからで、現状のシステムが汎用性に劣ってたのが真実ではないか。

    • Talgo250は動力車も軌間可変ですね。

  3. >フリーゲージトレインには、「軌間変更に5分かかる(5分あれば乗り換えられる)」「新幹線区間で270km/hしか出せず山陽新幹線に乗り入れられない」「台車の摩耗が激しく、メンテナンスコストが通常の2倍」といった大きな問題が残っていたのです。

    それほど大きな問題には見えません。誇張しすぎでしょう。
    まず、メンテナンスコストに関しては国の約束違いということでこのコストの一部を負担するという筋書きを作ればなんとかなるような気がします。
    山陽新幹線に乗り入れられなくても、博多まで行くことができればリレーの現状に比べればはるかにいいでしょう。博多での同一ホーム乗り換えができれば、京都や名古屋からの移動も楽になるでしょうし。
    軌間変更の5分に至っては問題とすら思えません。現時点で5分であれば営業時にはもっと短縮できるでしょう。

  4. これはやる気の無さが第一だ。が、なぜやる気が出ないのかが問題。フリーゲージにすると利権にありつけない面々がいると考えるのが自然。そのために多くの税金が失われていく、のかもしれない。知事さんたち頑張って。